出版社内容情報
都市化が大きく進展する転換期の中世にあって、清貧を実践し、新たな伝道の形を創始したフランチェスコは、社会の革新と伝統とが対峙する同時代の歴史的・社会的文脈にどう位置づけられるべきか。中世史の泰斗が「私の」フランチェスコ像を提示。
内容説明
フランチェスコが生きた時代は、西洋中世において都市化が進み、貨幣経済が浸透してゆく社会の一大転換期だった。清貧と謙譲を実践し、新たな伝道の形を創始したフランチェスコ―その活動は、変容へ向かうさまざまな動きが伝統と対峙していた同時代の歴史的・社会的・文化的流れの中にどう位置づけるべきなのか。歴史家としてつねにフランチェスコに魅了されてきたという中世史の泰斗が「私の」フランチェスコ像を提示する。
目次
1章 封建世界の変革と重圧に狭まれたアッシジのフランチェスコ
2章 真実の聖フランチェスコを求めて(真実の聖フランチェスコの探求;自著の中の聖フランチェスコ;伝記の問題;聖フランチェスコの障害;回心)
3章 アッシジの聖フランチェスコと一三世紀のフランチェスコ伝記作者たちにおける社会的カテゴリーの語彙(研究の定義と射程;社会的カテゴリーの語彙の諸要素;解釈の試み)
4章 フランシスコ会運動と一三世紀の文化モデル(空間と時間の認識に結びついたモデル;経済発展に結びついたモデル;全体社会ないし市民社会の構想に結びついたモデル;宗教社会の構造に結びついたモデル;本来の意味での文化に結びついたモデル;行動と感性のモデル;厳密な意味での倫理的・宗教的モデル;聖なるものの伝統的モデル;結論)
著者等紹介
ルゴフ,ジャック[ルゴフ,ジャック][Le Goff,Jacques]
1924年生まれ。フランスを代表するアナール派の中世史家。1992年に社会科学高等研究院を退官後も精力的な執筆活動を続けている
池上俊一[イケガミシュンイチ]
1956年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科西洋史学専攻博士課程中退。ヨーロッパ中世史。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授
梶原洋一[カジワラヨウイチ]
1983年生まれ。ヨーロッパ中世史。現在、東京大学大学院人文社会系研究科西洋史学専攻博士課程在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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