内容説明
版図雄大なプラン、きめ細かな給水管理―古代ローマ人の生活を支えた水道体系の歴史を通して、古代人の技術と英知を読みとる。
目次
第1編 古代ローマ水道の概要(ローマ水道の導水システム;ローマ水道の建設技術;ローマ水道の流量単位と送水量の測定結果;ローマ水道の市内給水;ローマ水道の管理組織とフロンティヌスの業績)
第2編 古代ローマ水道の遺跡(ローマ水道の補修の歴史;ローマ水道導水管の遺跡;市内給水の遺跡と給水用管材)
第3編 「ローマ市の水道書」邦訳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
富士さん
2
再読。配管屋さんの書いたローマ水道の本。個人的には『ローマの道の物語』の姉妹本のように思っています。本書の水道に関する詳細な解説は純技術的でマニアックなものもありますが、古代ローマの生活と技術観が実例をもって知れるとてもいい本です。よくローマがやったのは応用ばかりと言われますが、本書の主人公であるS.フロンティヌスの、エジプトやギリシャのものはたいそう立派だが何の役に立つんだ?ローマは地味だか役に立つ!という矜持は、ローマ人の精神をもっとも簡にして要を得た形で説明する見事なものだと思います。2017/09/07