感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
富士さん
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再読。旧建設省の技官と思しき著者の思い入れがついにローマに通じてしまった本。著者の本業の道路の建設思想や舗装技術を中心に、それを生み出したローマの歴史が平易に解説されています。すでに田舎道に紛れた道や判別不能になった道も、そのあまりの計画性と丁寧な仕事ぶりから、一目でそれと分かったり、空から見た方がはっきり分かるというのは驚きです。一つ一つの技術は今から見れば稚拙なものであっても、秩序立った営みは個々の技術の優劣を超えて、現在でも驚くべき成果を残せるということは、社会技術の重要性を改めて思わせるものです。2017/08/15
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