出版社内容情報
中国は、その急激な経済成長に伴い、水質保全や適切な水資源配分、また北部における水資源の不足が大きな問題となっている。
本書は、中国の水資源をめぐり、その利用、政策・規制の現状をまとめ報告した、中国武漢で開催されたシンポジウムの内容をもとに書籍化した。
内容説明
流域には多様な利害関係者がさまざまな形でかかわっている。生活や生業に不可欠な水資源の保全と効率的な利用を図り、そのための政策や技術をどう導入するか、人類の英知が問われている。この複雑かつ重層的な問題解決のため、日中の専門家の議論をまとめた。
目次
第1部 水資源の利用と生態環境(中国の湖沼と統合的湖沼流域管理(ILBM)
生態補償の概念に関する考察―『生態補償条例』草案の関連定義の立法解釈に基づいて
中国における水管理のガバナンス―水利権取引の導入をめぐって
中国西北部乾燥地域における農業用水の再分配問題―水利権調整問題をめぐる法政策学的実証研究)
第2部 管理体制と制度の確立(中国の流域水資源管理体制改革について;『湖北省湖泊保護条例』の立法構造―水利権調整をめぐる法政策学的実証研究;梁子湖の生態環境保護と修復対策に関する考察)
第3部 水利権と水をめぐる紛争(日本の河川法の現状と民事法的課題;中国における水環境公益訴訟;水紛争の調停と調和のとれた社会の建設)
第4部 利害関係者の参加と役割(中国の流域環境ガバナンスに関する一考察―公衆参加の視座から;水環境保全へ向けた産業構造と体系の改革;「撤郷変村」行政改革後の元郷集鎮の環境問題;流域環境ガバナンスと日中の学術交流;流域環境ガバナンスに関する日中共同セミナー)
著者等紹介
北川秀樹[キタガワヒデキ]
1979年京都大学法学部卒業、京都府庁勤務の後、1996年大阪大学大学院国際公共政策研究科修了。龍谷大学法学部教授を経て、同大学政策学部教授
窪田順平[クボタジュンペイ]
1987年京都大学大学院農学研究科修了。京都大学農学部附属演習林助手、東京農工大学農学部助教授等を経て、総合地球環境学研究所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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