出版社内容情報
今日、日系企業の海外進出が当たり前となり、大手製造業における海外売上比率が大きく上昇している。加えて海外からの訪日旅行者も、コロナ禍の規制が緩和されて以降、顕著な増加を見せている。すなわち、マーケティングに取り組むにあたり、海外もそのスコープに入れる必要性がますます高まっており、海外でのマーケティング・リサーチの重要性も一層高まっている。
しかしながら、日本のマーケティング・リサーチの入門書・教科書の多くは、暗黙の前提として日本国内の調査を想定している。他方、グローバル・マーケティングの教科書においては、マーケティング・リサーチに関し、1章分程度を割いて概要の記述にとどめざるを得ない。
そこで本書は、マーケティング・リサーチの基本となる考え方、またステップから説き起こしつつも、日本以外の国・地域での調査、あるいは複数の国・地域で調査を実施する際の留意点を盛り込み、海外を対象に含めた調査も同時にできるような構成とし、グローバル・マーケティング・リサーチとして1冊の本としてまとめた。
これにより、今後海外を対象とするマーケティングに関わる可能性のある方や、これからマーケティングや調査を勉強する学生の方などに読みやすい入門書である一方、現在、実際に海外マーケティングや調査に携わるビジネスパーソンの方にも、各プロセスの検証や今後の推進などの際に役立つ本として仕上がった。
【目次】
第I部 グローバル化と市場理解の重要性
第1章 マーケティングのグローバル化と調査
第2章 市場の理解 ~二次データの活用
第II部 グローバル調査の考え方
第3章 グローバル調査の特徴 ~自国単体調査との違い
第4章 グローバル調査の方法
第III部 グローバル定量調査
第5章 定量調査の企画と実査
第6章 定量調査の設計(1) 調査票設計の基本
第7章 定量調査の設計(2) 国・地域を考慮した調査票設計
第8章 定量調査 の データ品質を保つために
第9章 定量データの分析(1) 集計分析の基礎
第10章 定量データの分析(2) 様々な分析方法
第IV部 グローバル定性調査
第11章 定性調査の企画と設計
第12章 定性調査の実施運用
第13章 定性データの分析(1) インタビュー調査
第14章 定性データの分析(2) テキストデータ
終 章 グローバル調査の課題と今後