出版社内容情報
「企業倫理を推進することは、それを現場で担う社員にとって、どのような意義があるのか」。本書はこの問いを、ミーニングフル・ワークやインテグリティ、幸福といった概念をもとに、「人」「風土」「個人の倫理性」という3つの視点から追究していく。
企業倫理の推進というと、法令違反や不祥事を起こさないため、現場の従業員にとっては対応しなければならない義務・負担としてどちらかというとネガティブにとらえられがちかもしれない。しかし本来、企業倫理は「組織のインテグリティ」、すなわち組織としての徳や事業活動の質、それを左右する意思決定のよさといった、より大きな組織としての卓越性を向上させることとして考えることができる。そしてそれらがよりよい状況になっていくことで、従業員個人にも、仕事の有意味性(ミーニングフル・ワーク)がもたらされ、それが働く個人のウェルビーイング、幸福につながるのである。
自社の従業員がいきいきと前向きに働く組織づくりをめざすためにも、企業倫理推進が果たす役割は大きい。経営層やCSR部門担当者、人事・経営戦略部門責任者に特におすすめ。
内容説明
社会への誠実さは、従業員の幸福につながる。コンプライアンス、CSR、サステナビリティ…「よい」ビジネスとは何か、なぜそれが問われるのか。経営における倫理の意義を見つめなおす。
目次
第1部 理論研究(企業倫理と従業員;インテグリティ志向の倫理マネジメント;ミーニングフル・ワーク)
第2部 実証研究(実証研究の全体像;人による伝播;風土による浸透;個人の倫理性の役割)
第3部 考察と結論(企業倫理と仕事の有意味感)
著者等紹介
本橋潤子[モトハシジュンコ]
1966年生まれ。1990年お茶の水女子大学文教育学部卒業後、学校法人産業能率大学総合研究所にて企業内人材育成に関する学習プログラムの企画開発及び企業倫理・コンプライアンスに関するコンサルティングに従事。2013年慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程修了、2019年慶應義塾大学大学院商学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(商学)(慶應義塾大学)。作新学院大学大学院経営学研究科客員講師を経て、産業能率大学経営学部准教授。中央大学大学院戦略経営研究科兼任講師、立命館大学大学院経営管理研究科客員教員、慶應義塾大学商学部講師(非常勤)、慶應義塾大学大学院経営管理研究科講師(非常勤)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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