面白くて刺激的な論文のためのリサーチ・クエスチョンの作り方と育て方―論文刊行ゲームを超えて

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  • サイズ A5判/ページ数 296p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784561267829
  • NDC分類 301
  • Cコード C3030

出版社内容情報

著者は、「良いリサーチ・クエスチョンはそれに対する答えと同じくらいに価値があり、時には答えそれ自体よりも重要である」と言う。しかしながらこれまで、実践的なリサーチ・クエスチョンの作り方、また研究に取り組む中でそれをどのように練り上げていくのかについて、十分検討されてきたとは言い難い。

 本書は、こんにちの社会科学では、ほとんどすべての領域において、膨大な量の研究が発表されているにもかかわらず、その多くは、その影響の及ぶ範囲という点で、かつてのように大きな成果をあげていないとする。このような状況は、研究者たちの同調的な傾向によって生まれてきたとして、「ギャップ・スポッティング」(先行研究の中に各種のギャップを見出し、その穴埋めをするというような意)が孕む問題を取り上げた上で、「問題化」という手法を提案する。そして、批判的思考を心がけ、型にはまらない独創的なリサーチ・クエスチョンを提起していくことの重要性を強調する。

 より魅力的でインパクトがある研究が増えていくとともに、広い視野を持った有能な研究者が育っていくことを願い、本書は執筆された。この著者たちの研究は、昨年弊社が刊行し、日本でも大きな話題となった『経営学の危機』でも随所に言及されている。同様の問題意識を持つ本書は、研究者たちの大きな注目を集めると同時に、これからの研究に力を与えてくれるだろう。

内容説明

ひたすらリサーチ・ギャップを埋めることに固執してきた学界の通念を根底から覆し、挑戦的研究からうまれる独創的で、真に「インパクト」のある論文の執筆方法を明らかにする。

目次

第1章 リサーチ・クエスチョン―面白い理論を構築していく上での本質的な条件
第2章 リサーチ・クエスチョンの構築と定式化の作業を取り巻く文脈
第3章 ギャップ・スポッティング―リサーチ・クエスチョンを構築する際に一般的に採用されている方法
第4章 ギャップ・スポッティング方式の研究に関する批判的検討―果たして面白い理論につながるアプローチなのだろうか?
第5章 問題化―リサーチ・クエスチョンを作成するための方法
第6章 問題化の方法論を実際に適用してみる
第7章 なぜ、面白い理論の構築にとって逆効果でしかないギャップ・スポッティング的アプローチが支配的になっているのか?
第8章 面白いリサーチ・クエスチョンを構築する―問題化、そして問題化を越えて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中村

2
本書はおそらく基本的には研究者に向けて書かれたものであるため、卒業論文ないしは修士論文を控える学生が参考にするには多少ハードルが高いようにも感じたが、社会科学系の論文刊行プロセスの抱える問題や本書で提案されている「問題化」の手続きはとても興味深かった。2023/08/05

かわうち

1
面白いリサーチ・クエスチョンを構築する上で、一般的に利用されているギャップスポンディングを混乱、軽視無視、適用という観点から紹介し、それぞれの持つ課題を指摘した上で、研究活動との関連からその課題傾向が強化される。理論は、複雑な経験的世界を組織化するために使用される言語装置の1つにすぎない。問題化を通してリサーチ・クエスチョンを作成する際の重要な課題は、自分自身のスタンスと他のメタ理論的なスタンスとのあいだで弁証法的な問い直し、すなわち、領域と根底にある前提の理解と新規作成、読者層との距離感である2025/03/03

UI

0
学部生が読むような本じゃなかった2024/02/07

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