出版社内容情報
マルクス主義者から宗教哲学者へ転じた稀代の思想家によって語られる、正教精神から社会主義革命へと至るロシア民族の歴史的必然性。
【目次】
内容説明
ロシアの共産主義はナショナルな特徴に根ざす現象であり、マルクス主義的な見地からのみではけっして説明しきれない―本書においてベルジャーエフは、ロシアにおけるボリシェヴィズムの必然性を、キエフ・ルーシから連綿と続くキリスト教精神と、インテリゲンツィアによって編まれる歴史・思想史のなかに探っていく。
目次
緒論 ロシアの宗教理念とロシア国家
一 ロシア・インテリゲンツィアの形成とその性格 スラヴ主義と西欧主義
二 ロシアの社会主義とニヒリズム
三 ロシアのナロードニキ主義と無政府主義
四 十九世紀ロシア文学とその予言
五 古典マルクス主義とロシア・マルクス主義
六 ロシア共産主義と革命
七 共産主義とキリスト教
(付)ロシアの魂
著者等紹介
ベルジャーエフ,ニコライ[ベルジャーエフ,ニコライ] [Бердяев,Николай Александрович]
1874‐1948。宗教哲学者・政治思想家で、20世紀ロシアの最大の思想家のひとり。キーウ近郊の軍人貴族の家庭に生まれる。マルクス主義思想に接近し、その活動により逮捕・流刑を経験する。その後、実証主義から形而上学的観念論へと転向し、インテリゲンツィアの革命思想を批判する立場をとる。二月革命は熱狂的に迎えるも、十月革命には否定的な態度をとり、1922年9月、いわゆる「哲学者の船」で国外へ追放されることとなった。亡命先のベルリンではマックス・シェーラーやシュペングラーらと交わり、24年にはパリに移住。クラマールに居を構え、ロシア宗教思想誌『道』の編集など、晩年に至るまで積極的に執筆活動をおこなった
田中西二郎[タナカセイジロウ]
1907‐1979。英米文学翻訳家。東京商科大学を卒業後、中央公論社などに勤務
新谷敬三郎[アラヤケイザブロウ]
1922‐1995。早稲田大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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