出版社内容情報
ウィーン近郊の楽園の島で、極変動後の未来都市で、メキシコ市の病院で、時を超えて繰り返される夢みる女たちの哀しい愛と運命の物語過去・現在・未来、繰り返す哀しい愛の物語
ウィーン近郊の楽園のような島に軍需産業王の夫によって閉じ込められた世界一の美女。映画スターの彼女には出生にまつわる秘密があった。死者との契約により、30歳になった時から他人の思考が読めるようになるというのだ……。地軸変動により気候が激変、多くの土地が水没した未来の地球。性的治療部で働く女性W218はある日理想の男と出会う。隣国からやってきたその男と、彼女は夢のような一夜を過ごすが、男にはある目的があった……。1975年のメキシコシティ、病院のベッドでアナは語る。アルゼンチンでの過去の生活、政治について、男性至上主義(マチスモ)について、愛について……。過去・現在・未来で繰り返される、女たちの哀しい愛と数奇な運命の物語を、メロドラマやスパイ小説、SFなど、さまざまなスタイルと声を駆使して描き、新境地を切り開いたプイグの傑作。改訳決定版。
マヌエル・プイグ[プイグ]
1932-1990年。アルゼンチンの作家。ブエノスアイレスの大学を卒業後、イタリアへ留学し、映画監督・脚本家を目指すが挫折。ニューヨークで書きあげた長篇『リタ・ヘイワースの背信』を1968年に出版、帰国後発表した『赤い唇』(69)はベストセラーとなるが、『ブエノスアイレス事件』(73)は発禁処分、極右勢力の脅迫もあってメキシコへ亡命。世界各地を転々としながら、『蜘蛛女のキス』(76)、『天使の恥部』(79)などの話題作を発表。巧妙なプロットと流麗な語り、現代的な主題で幅広い人気を博した。
安藤 哲行[アンドウ テツユキ]
1948年岐阜県生まれ。神戸市外国語大学外国語研究科修士課程修了。ラテンアメリカ文学研究者。著書に『現代ラテンアメリカ文学併走』(松籟社)、訳書にエルネスト・サバト『英雄たちと墓』(集英社)、カルロス・フエンテス『老いぼれグリンゴ』(河出書房新社)、レイナルド・アレナス『夜明け前のセレスティーノ』『夜になるまえに』(以上、国書刊行会)、ホルヘ・ボルピ『クリングゾールをさがして』(河出書房新社)などがある。
内容説明
ウィーン近郊の島の屋敷に囲われた世界一の美女。映画スターの彼女には秘密があった。死者との契約により、三十歳になると他人の思考が読めるようになるというのだ…。地軸変動後の未来都市、性的治療部で働く女性W218はある日理想の男性と出会う…。メキシコシティ、病院のベッドでアナは語る、社会について、愛について…。過去・現在・未来で繰り返される女たちの運命の物語を、メロドラマやスパイ小説、SFなど、さまざまなスタイルと声を駆使して描く。
著者等紹介
プイグ,マヌエル[プイグ,マヌエル] [Puig,Manuel]
1932年、ブエノスアイレス州ヘネラル・ビジェーガスで生まれ、映画館に入り浸りの少年時代を過ごす。ブエノスアイレスの大学を卒業後、1956年にイタリアへ留学し、映画監督・脚本家への道を模索するが挫折。1963年、ニューヨークへ移って書きあげた長篇『リタ・ヘイワースの背信』を1968年に出版し、注目を集める。アルゼンチン帰国後に発表した『赤い唇』(69)はベストセラーとなったが、1973年の『ブエノスアイレス事件』が政府によって発禁処分となり、また極右ペロニスタのテロリスト集団トリプレAの脅迫もあって、同年末、メキシコへ亡命。1990年、メキシコで死去
安藤哲行[アンドウテツユキ]
1948年岐阜県生まれ。神戸市外国語大学外国語研究科修士課程修了。ラテンアメリカ文学研究者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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