白水Uブックス<br> 孤独と人生

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白水Uブックス
孤独と人生

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  • サイズ B40判/ページ数 344p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560721131
  • NDC分類 134.6
  • Cコード C1210

内容説明

「いっさいの生は苦しみである」とみなしたショーペンハウアーが、逆に「生活をできるだけ快く、しかも幸福にすごす」方法を説いた、厭世的な哲学者による幸福論。自身の哲学が現実の日常生活のなかにいかに応用されるかを具体的に示した、ショーペンハウアーの代表作である。

目次

第1章 基礎になるまえがき
第2章 人にそなわるものについて
第3章 人が所有するものについて
第4章 他人がいかに思うかについて
第5章 さまざまな教訓と原則について(一般的なこと;われわれ自身に対するわれわれの態度について;他人に対するわれわれの態度について;世界の動きと運命に対するわれわれの態度について)
第6章 年齢のちがいについて

著者等紹介

ショーペンハウアー,アルトゥール[ショーペンハウアー,アルトゥール][Schopenhauer,Arthur]
1788‐1860。ドイツの哲学者。ダンチヒ(現在ポーランドのグダニスク)に生まれる。近代自然科学の成果を認めつつも人間のいとなみの根源は、万物を支配する非合理的意思にあると見た。さらに意志は人間にあっては性欲、野心などの欲望として出現するとしたが、それが実現できないため人間が苦悩するありさまを解明したのち、芸術や宗教による苦悩鎮静救済の道をほのめかした

金森誠也[カナモリシゲナリ]
1927年、東京生まれ。東京大学文学部独文学科卒業。日本放送協会(NHK)勤務後、広島大学教授、亜細亜大学教授、静岡大学教授、日本大学教授を歴任。現在、著述家、翻訳家。専門はドイツ文学、ドイツ思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ががが

7
やはり打倒すべきは虚栄心であるように思われる、との言葉に深く深く共感。人との関わりはなるべく避けよ、というのは社交欲とは孤独からの逃避である結果生まれた間接的なものであり、そこから得るものがないからである。孤独を愛すること。その通りだが、やはり感覚的に寂しさを感じてしまい、何の意味が、と思いながら適当な世間話に口を合わせてしまう。そんなことはもうやめるべきだと言う。人との交流を楽しんでいるときには忘れていることだが、ちょうどさびしさを抱えていた時に読むととても励まされる。孤独について考える時、再読したい。2013/08/08

ががが

5
再読。ショーペンハウワーの幸福論は引き算の幸福論という印象を受ける。退屈と苦しみを幸福の敵として、対処法なんかもねちっこく書いてある。特に孤独に対する考察はものすごく考え抜かれているというか達観されていて、読んでて身につまされる。孤独を紛らわすための人との交流は害悪であると繰り返される。そのために精神的に豊かにならなければならないそうだけど、具体的にはよくわからない。一人でも充実、人といても充実という境地を目指せばいいんだけど、確かに人とつながりたい気持ちは、孤独からの逃避という側面があるのは否めない。2016/06/23

ヤス

5
多くの哲学者が幸福について定義をしているけれども、ハウアーさんのそれが私には一番賛同できました。彼いわく「幸福とは快楽が多いことではなく、苦痛が少ないこと」だそうです。-----「楽しみ」とは欲望、退屈といった無限悪魔を一時的に鎮めるソフトドラッグのようなもので、幸福に対する消極的アプローチに過ぎない。苦痛からの解放は、肉体の健康・精神の平穏を求め、より善く生きたいという魂からの希求であり、幸福に対する積極的アプローチである。快楽と苦痛のジェットコースターとも言える他人との社交は必要最低限にとどめるべきで2016/01/22

sun

4
既読「ワーグナーとニーチェ」の中で、二人が影響受けた哲学者の本。主著ではないので、判断は難しい。当時のある階層への「生活の知恵」と言った感じ。哲学がいかに「個別的」であるかはわかった。訳者が必至に「彼は予見した」と賛美しているところが笑えた。2013/12/01

smatsu

2
ショーペンハウエルによる人生論と幸福論。主著の『意思と表象としての世界』が彼の思想の理論編だとすれば本書は応用・実践編として位置づけられる本だと思う。幸福は幻想であり、苦痛こそ現実。人生の目的は快楽の追求ではなく苦痛の回避つまり「より少なく不幸であること」だと。富や名声といった外的なものに幸福を求めることの愚かさを指摘、真の幸福は個人の内面的な豊かさと健康と心の平静から得られる。孤独の中でこそ自己と向き合い、真の心の平安を得ることができると。当時の啓蒙主義と客観的知性重視に対して意思と内面を重視する思想。2024/10/19

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