内容説明
「死にいたる病とは絶望である」。人間として生きてゆくこと自体にはじめから含まれている矛盾と不条理。生きることの苦悩に極限まで対決しつづけたキルケゴールの思想が、余すところなく吐露された二つの名著を収録。
目次
死にいたる病(死にいたる病とは絶望である;絶望は罪である)
現代の批判
著者等紹介
キルケゴール,セーレン[キルケゴール,セーレン][Kierkegaard,Soren]
1813‐55。デンマークの思想家。シェリングに学んだ。ヘーゲルの思弁哲学を批判し、普遍的な理性に尽くされない実在としての人間に注目、独自の個人主義を主張した
松浪信三郎[マツナミシンザブロウ]
1913年生。1936年早稲田大学文学部哲学科卒
飯島宗享[イイジマムネタカ]
1920年生。1942年東京大学卒。哲学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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amanon
3
内容の理解は甚だ怪しいものの、詩人といわれるに相応しい独特の端正な文体に惹きつけられてほぼ一気に読了した。『死に〜』は「絶望」をテーマにしているのにも拘らず、なぜか絶望的な気持ちにならないのが不思議。恐らく著者は例の事件を通して、一般的な意味での絶望とは違う何かを見出したのではないか?という気がする。また『現代〜』で繰り返し言及されている「水平化」という概念は今ひとつ意味が掴みきれないが、まさにこの現代を読み解くのに大いに示唆的ではないか。後、池澤夏樹による解説も魅力的。繰り返し読み返すべき一冊である。2016/08/17
しんすけ
2
絶望とは真激に生きる者に許された行為である。政治家の生き方があまりにも安直であるのを観れば、彼らは絶望の経験など無いと観える。キルケゴールの生き方はあまりにもキリスト教的である。そのキルケゴールがキリスト教を批判している箇所がある。「キリスト教界の根本的な不幸は、実をいうと、キリスト教なのである。...事実、罪についての思弁のおしゃべりは、倫理的に見ると、いい加減なものである。」キルケゴールが批判したキリスト教は、愚者が具現化した集団の行為だった。ニーチェの時代に死ぬ神は、この時代にはまだ命を耐えていた。2015/05/15
ハンプティ
1
人間とは精神、精神とは自己。自己とは自分自身にかかわる一つの関係性。とても噛み砕くと本当はこういう自分でありたいのにそんな自分になれない、という葛藤という事になるだろうか…これは人間である限り常に付きまとう絶望なのだろう。後半につれ絶望について細かく分解されていく。自己についての絶望は普遍的なものであるからか、難しい文章の所々で目を止めてしまう文がある。2024/01/07
猫背
1
これ理解した気にすらなれないぞ…難しい…。ちょくちょくでてくるロマンチックな比喩が余計分かりにくく、自明のことみたく書かれている「神」自体がそもそもはっきり理解できなくて難航した。死が希望になるって表現は的確で頷けた。よくわからんかったが、これでいう絶望してない人って存在するのかな?2015/03/12
ハニ
1
最初は面白かったんだけどなぁ。 昔からいたのか・・・。 2011/04/30
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