出版社内容情報
老いのこころに生じる問題に光を当てる
1970年代以降、欧米において、老いに関する精神分析的な議論や発表がみられるようになったが、ほかの世代のそれに比べるとごくわずかであった。本書は、精神分析の見地から、老いのこころに生じるさまざまな視点や問題(年を経るにつれて変化する身体や性、それに伴うこころの問題、社会での役割、臨床と治療の実践、近親者や介護者のケアの問題など)を扱い、「異なる専門性をもち、異なる教育を受けてきた同輩たちだけでなく、一般の人が、年齢を重ねた人たちの心的生活に関心を抱けること」(「序文」)を試みる。
また、症例とともに、フロイトが自身の老いを綴った書簡をはじめ、ユルスナール、イヨネスコ、モーパッサン、モーリヤック、ジッド、クローデル、レヴィ=ストロースなど、文学作品や手記、講演内容などを随所に盛り込み、思想家や著述家が向き合った老いを病跡学的に参照する。
内容説明
本書は、精神分析の見地から、老いのこころに生じるさまざまな視点や問題(年を経るにつれて変化する身体や性とそれに伴うこころの問題、社会での役割、臨床と治療の実践、近親者や介護者のケアの問題など)を扱う。また、症例とともに、フロイト自身の体験や、ユルスナールやトルストイ、イヨネスコといった作家が向き合った老いを病跡学的に参照する。
目次
第1章 老化というプロセス
第2章 心的装置
第3章 喪失の取り扱い方
第4章 性的なものとその運命
第5章 老いにおける脳とこころ
第6章 臨床と治療の実践
結論 未踏と到達のはざまで
著者等紹介
ヴェルドン,ブノワ[ヴェルドン,ブノワ] [Verdon,Beno^it]
精神分析家、臨床心理士。成人と高齢者の精神病理と共に、TAT(主題統覚検査)やロールシャッハ法などの心理検査の投映法の専門家としても国際的に著名。パリ大学臨床心理学・精神病理学教授、同PCPP(臨床心理、精神病理、精神分析研究所)副室長
堀川聡司[ホリカワサトシ]
2010年、京都大学教育学部卒業。2015年、京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)、臨床心理士、公認心理師。現在、駒澤大学コミュニティ・ケアセンター、白金高輪カウンセリングルーム勤務
小倉拓也[オグラタクヤ]
2008年、神戸市外国語大学外国語学部卒業。2015年、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。現在、秋田大学教育文化学部准教授
阿部又一郎[アベユウイチロウ]
1999年、千葉大学医学部卒業、精神科医。2008年、フランス政府給費生として渡仏して臨床研修。2011年、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科博士課程修了、博士(医学)。現在、伊敷病院勤務、東洋大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
PukaPuka
Go Extreme