出版社内容情報
「タラブ」をもたらす音楽の魅力に迫る
「ジャミーラが歌っているあいだ、そこに居た一同はタラブに陥っていた」「私はタラブを求めて歌うのであり、金銭を求めて歌うのではない」(本書より)。
心の高まりを意味するアラビア語の「タラブ」。アラブ音楽は、聴く人にも演奏する人にも「タラブ」をもたらすという。人を魅了するその音楽とは、いったいどのようなものなのだろうか?
本書は、アラブ民族が中東・北アフリカを舞台に営々と育んできた音文化のなかでも、音楽に焦点をしぼり、通史、特徴、近代的展開、楽器などさまざまな面についてわかりやすく解説する。
西洋音楽とアラブ音楽の双方に造詣の深い著者が、ヨーロッパ・キリスト教世界とアラブ・イスラーム世界の接点という特殊な立ち位置から、アラブ音楽へのアプローチを試みる。
内容説明
アラブ民族が中東・北アフリカを舞台に脈々と育んできた音文化のなかでも、音楽に焦点をしぼり、通史、特徴、近代的展開、楽器などさまざまな側面についてわかりやすく解説。西洋音楽とアラブ音楽の双方に造詣の深い著者が、ヨーロッパ・キリスト教世界とアラブ・イスラーム世界の接点という特殊な立ち位置から、アラブ音楽へのアプローチを試みる。
目次
序章 アラブ音楽、あるいはイスラームの音楽?
第1章 歴史のなかのアラブ音楽
第2章 アラブ音楽の原理と特徴
第3章 近代の復興運動とアラブ芸術音楽
第4章 民衆音楽
第5章 楽器
著者等紹介
ジャルジー,シモン[ジャルジー,シモン] [Jargy,Simon]
1919‐2001。トルコ共和国マルディン生まれ。1951年に´Ecole pratique des hautes ´etudesで博士号を取得し、1964年にジュネーブ大学イスラム学講座の教授になる。専門は中東地域の民族音楽学。世界的なウード奏者ムニール・バシールを西洋世界に紹介したことでも知られる。『アラブ音楽』の初版は同ジャンルの本としては23,000部以上を売り上げるベストセラーとなり、アラビア語訳も出版された。代表作に『中東アラブの伝統的民衆歌謡 La po´esie populaire traditionnelle chant´ee au Proche‐Orient arabe』(Mouton,1970)がある
水野信男[ミズノノブオ]
東京藝術大学大学院修了。博士(文学)。民族音楽学。兵庫教育大学名誉教授。著書に『アラブの音文化』(スタイルノート、東洋音楽学会田邊尚雄賞)など
西尾哲夫[ニシオテツオ]
京都大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。言語人類学・アラブ研究。人間文化研究機構・国立民族学博物館教授、総合研究大学院大学文化科学研究科教授。著書の他、共編著に『アラブの音文化』(スタイルノート、東洋音楽学会田邊尚雄賞)など
岡本尚子[オカモトナオコ]
慶應義塾大学文学部文学科(フランス文学専攻)卒業、東京外国語大学大学院地域文化研究科博士前期課程修了、Universit´e Fran〓ois Rabelais de Tours博士課程修了。Dipl^ome de docteur de Lettres Modernes。フランス文学・フランス語圏中東地域文化研究。洗足学園音楽大学等フランス語講師、国立民族学博物館外来研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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