出版社内容情報
二十世紀ロシア・ソヴィエト文化の盛衰史
社会主義リアリズムという言葉は、1932年初頭になって初めて出版物に登場する。この芸術理論は、共産党の革命運動を信奉した全世界の芸術家を熱狂させた。だがそれは、本質的にはスターリンの全体主義政治における、あらゆる芸術運動の抑圧を象徴していた。社会主義リアリズムの本質とは、時代に応じた厳格な要請にあったわけでなく、芸術を全体主義的な党=国家の権限下に置くことで、その目的に服従させるという、正統派的教義の地位にあった。
本書は、どのようにこの正統派的教義が創りだされ、どのようにその美学的内容は定義されていたのか。どのように機能し、文学と芸術の発展に影響を及ぼしたのか。どのような要因が、芸術を生みだすメカニズムを麻痺させてしまったのかを検証する。
ミシェル・オクチュリエ[オクチュリエ]
著・文・その他
矢野 卓[ヤノ タク]
翻訳
内容説明
社会主義リアリズムという芸術理論は、共産党の革命運動を信奉した全世界の芸術家を熱狂させた。だがそれは、本質的にはスターリンの全体主義政治における、あらゆる芸術運動の抑圧を象徴していた。社会主義リアリズムはどのように機能し、ソヴィエトと共産主義の国々の文学と芸術生産の発展に影響を及ぼしたのか。
目次
序論
第1章 「左翼」芸術のために(革命的未来主義;レフと構成主義)
第2章 プロレタリア芸術のために(プロレトクリト;「プロレタリア作家」と党 ほか)
第3章 国家芸術に向かって(ラップの解散とソヴィエト作家同盟;正統派たちと異端者たち ほか)
第4章 全体主義芸術(テロルとジダーノフ主義;芸術におけるスターリン様式 ほか)
第5章 神話の終焉(教義の再検討;神話崩壊の危機 ほか)
著者等紹介
オクチュリエ,ミシェル[オクチュリエ,ミシェル] [Aucouturier,Michel]
1933‐2017。ロシア文学翻訳家、元パリ第4大学(ソルボンヌ)、高等師範学校教授。トルストイの研究者、翻訳者として知られており、ほかにもソルジェニーツィンやパステルナーク、バフチンなど、旧ソヴィエト時代の作家と批評家の作品の翻訳も数多く手がける
矢野卓[ヤノタク]
1975年千葉県生まれ。トゥールーズ・ル・ミライユ(現・ジャン・ジョレス)大学文学部第二課程修了、ナント大学文学部第三課程修了。博士(文学)。専攻は比較文学とフランス20世紀文学。フランス語通訳者として、2012年からモーリタニア・イスラム共和国に赴任した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
92427707
3