出版社内容情報
解釈学の起源、その大著作家たち、彼らが引き起こした論争を紹介しつつ、その普遍性という意味をも検討する。解釈学とは何であり得るか
古典的な意味における解釈学は、神学、法学、文献学など、テクスト解釈にかかわる諸学において発展し、解釈の実践を助ける補助的な機能を果たしていた。これはシュライエルマッハーまで続き、ディルタイ、ニーチェ、ハイデガーによって解釈の普遍哲学となる。やがて、ガダマーとリクールの思想において著しい発展を遂げ、20世紀後半の知的大論争(構造主義、イデオロギー批判、脱構築、ポストモダン)に大いなる貢献をする。
本書は、解釈学の起源、大著作家たち、彼らが引き起こした論争といった解釈学の歴史をたどり、また解釈の普遍性という意味をも検討する。
『宗教哲学』『ポール・リクール』の著者、ジャン・グロンダンの待望の邦訳。
ジャン・グロンダン[グロンダン]
著・文・その他
末松 壽[スエマツ ヒサシ]
翻訳
佐藤 正年[サトウ マサトシ]
翻訳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さえきかずひこ
10
古典的解釈学ーそれは聖書テクストの解釈から始まったーの考え方に触れた上で、シュライエルマッハー、ディルタイから説き起こしハイデガー、ブルトマン、ガダマー、ハーバーマス、リクール、デリダ、ローティ、ヴァッティモと現代に至るまでの解釈学の系譜を分かりやすく辿る解釈学の入門書。翻訳も良く、素晴らしく読みやすい。1981年当時のデリダとガダマーの"理解"における考え方の違いと、その後の学問的好敵手としての友情を素描する第8章は誰が読んでも胸を熱くすることを約束する。解釈について、そして解釈学について知りたい人へ。2019/12/04
singoito2
8
この著者の「ポール・リクール」が分かりやすかったので借りてきました。翻訳もとても読みやすい。シュライエルマッハー、ディルタイからハイデガー、ガダマー、リクール、デリダという巨匠を経て、ローティのような虚無的で相対主義的な理解まで概説してくれてます。2023/04/13
politics
6
解釈学の起源からハイデガー、ガダマー、リクールらの巨頭に加え、デリダ、ローティらポストモダンの思想家に至るまでの解釈学思想を取り扱った通史。本書で鍵となるのがガダマーで、彼からのちの時代の解釈学の土台が形成されていったのがよく分かる。デリダの思想にはあまり関心はなかったが、ローティを解釈学思想に位置付ける点は興味深かった。多少難解ではあるが、解釈学を一望するにはうってつけの一冊に間違いはないだろう。2022/12/09
たか
5
うーん…難解だ…。2019/09/28
kapo54
3
ディルタイ、ガダマー、ハーバーマス、デリダなど。訳文が硬いこともあって後半は理解しきれなかった。一つの概念を軸にした本は、哲学史の見通しを良くしてくれるのでありがたい。2018/11/30