出版社内容情報
「科学とは何か」というきわめて大きな問題をわかりやすくまとめた一冊。
内容説明
本書では、「科学とは何か」という極めて大きな問題をめぐるほぼ半世紀にわたる著者の議論のエッセンスが、分かりやすくまとめられている。二十世紀における科学の急激な発展と、それが引き起こした倫理的諸問題の考察にはじまり、科学には限界があるか、他の形態の知とどのような関係を保たねばならないのか、などの問いに挑む。
目次
第1章 「科学の時代」の諸問題
第2章 科学的知識と技術知の相違
第3章 方法の多様性と目標の統一性
第4章 形式科学と経験科学
第5章 自然科学と人間科学
第6章 科学的真理の進歩
著者等紹介
グランジェ,ジル=ガストン[グランジェ,ジルガストン] [Granger,Gilles‐Gaston]
1920年生まれ。高等師範学校卒業。レンヌ大学教授、コレージュ・ド・フランス教授等を歴任後、コレージュ・ド・フランス名誉教授となる。現代フランスの科学認識論・科学哲学の第一人者。2016年逝去
松田克進[マツダカツノリ]
1963年生。龍谷大学文学部教授
三宅岳史[ミヤケタケシ]
1972年生。香川大学教育学部准教授
中村大介[ナカムラダイスケ]
1976年生。豊橋技術科学大学総合教育院准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ラウリスタ~
11
前半だけ流し読み。科学哲学について何か書かれているかと期待したが、どうもよく分からなかった。クセジュ文庫は、すでにある程度専門的に学んできた人が、改めて全体像を俯瞰する時には役に立つが、初心者にとっては記述があまりに簡潔すぎて、情報の森の中に迷い込んでしまうことが多いのだが、本書は少なくとも僕にとってはそうだった。2021/04/07
企業研究職(微生物)
2
今では科学技術とよく言うが、意外にも科学と技術が結びついたのは産業革命以降。それ以前は技術は明文化されない職人的なものだった。科学の力で技術を定型化することで大量生産が可能になった。一方でいつも私の頭に残るのは、科学で理屈を明らかにしたからといってその事象を本当に理解して応用する方法がわかったとは言えないということだ。ある事象をどんな文脈で、どんな角度から取り組むかが科学者の腕の見せ所だ。2020/07/28