出版社内容情報
人類学・哲学・芸術など多分野の見地から「性」を記述。大人から幼児に及ぶ広い精神分析の立場から「キーワード」を細かく解説。
内容説明
「性」の世界を生物学や医学の分野ではなく、歴史・人類学・社会学など多分野の刺激的な見地から解説。著者たちに共通する精神分析は、一般的に大人のためとされているセクシュアリティを子供、むしろ幼児にまで広げている。淡い面からきわどいものまで変化に富んだ様相となっている。
著者等紹介
古橋忠晃[フルハシタダアキ]
精神科医、医学博士。1999年名古屋市立大学医学部医学科卒業。現在名古屋大学学生相談総合センター助教。ストラスブール大学客員教授(2011年6月)。専門は精神病理学
守谷てるみ[モリヤテルミ]
1982年、南山大学文学部仏語学仏文学科卒業。自動車メーカー、電子部品メーカー勤務を経て、現在フランス語翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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空白少女
2
セクシュアリティにまつわる用語を五十音順に共著でまとめた本。著者ら全員が精神分析をオリエンテーションに持つことから、私はそれほど精神分析の色が強いとは思わなかったが独特のものだったかもしれない。ただただ性科学に依拠するのではなく、映像作品や絵画の描写を参照して用語の解説がなされているのが面白かった。全ての用語において〇〇とは〜である。と簡潔な説明が書かれている訳ではないので、予備知識が必要。2022/10/27
壱萬参仟縁
2
フーコーも想起しそうな内容。ハイエナが男女の相違のない胚を起源とした性器を有しているようだ(43頁)。できるだけ不快な感想にならないようにすべく、露骨な描写を避けてみたい。本著に書かれている用語が、エロ雑誌などでも解説されていると、多くのエロたちに役立つとも思える。ただ、内容が難しいものも入っているが。ローマ皇帝ティベリウスはラテン語cunnilingusと関係があると、世界史の授業では言えないことだろうな(44頁)。その時点で教師失格のレッテルを張られかねない。73頁~の語は一時期雑誌でも紹介されてた。2013/03/11
Akihiro Nishio
2
職業柄、ヘンタイさんには慣れていて容易には驚かないのだが、貞操帯は、現在では、SMの道具となっており、男性に用いられ、飛行機にも乗れるように非金属でできているというくだりには驚いた。本としては、ギリシャ語、ラテン語から語源をたどるような話が多くて、翻訳は大変だっただろう。2013/03/01
ybhkr
0
フランスの13人の研究者の共著をまとめ翻訳したもの。50音順で事典型式。精神分析を通して書かれているものが多く、訳者は「精神分析が現在のセクシャリティ概念に与えた影響は大きい」と記している。性的ないろいろな言葉に対して、日本ではあまり使われない「青い春」「真昼の悪魔」「真夜中の海辺」などの詩的な表現もあり、へぇってなる。ボノボの性交はなぜ正常位であるのか、とか、スワッピングの語源が元々女性はその種族の財産であり、それを交換する制度から生まれたとか、トリビア的な話も多く楽しめた。2015/03/09
ジャスミン
0
気になった点がある。ドラァグクイーンをドラッグクイーンと記載していた点。100語でわかると銘打つなら正確さが大事だと思う。下訳をした人、翻訳者、編集者がいてのことだから、あえてドラッグクイーンとしたのかもしれないが。2013/05/21