出版社内容情報
キリスト教を認め、自ら信徒となった初のローマ皇帝。新都創建につながる多くの建設事業を手掛けるなどの施策も詳述。
内容説明
正帝であった父親の跡を継いだ古代ローマ後期の皇帝。単独統治を行なうようになってからは活動の拠点を東方に移し、親キリスト教的な姿勢を打ち出す。行財政の改革に加え、軍制や幣制の整備、建設事業についても記述。また、死後の評価に触れている点も本書の特徴である。
目次
第1章 コンスタンティヌスの生涯と治世
第2章 コンスタンティヌス体制
第3章 コンスタンティヌスのおびただしい立法
第4章 コンスタンティヌスの宗教政策
第5章 都市創設者にして建築好き
第6章 コンスタンティヌスをめぐる論争と神話
著者等紹介
大清水裕[オオシミズユタカ]
1979年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(PD)。古代ローマ史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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じょあん
2
読みやすい訳文と思う。タイトル通りその生涯と治世に迫っていく。年代に沿って生涯を追い、続いて制度や法制、宗教政策、作られたコンスタンティヌスの評価をめぐる問題を扱う。現著者による「コンスタンティヌスのおびただしい立法」という章には、そのタイトルの表現をはじめ、訳者は疑問を呈しているが、全体としてコンスタンティヌス自身とその治世について知るのにうってつけの一冊であることには変わりが無いと言えるだろう。2021/07/02
xin
2
コンスタンティヌス大帝について客観的にその業績を概観するのにはいいと思う。2016/11/17
杞人
0
ローマのコンセルヴァトーリ宮にあるコンスタンティヌスの巨像の目が不自然に大き過ぎる、というのは読んで初めて気づいた。確かに、コンスタンティヌスには眼光炯々、目に威圧感があるという印象があったがこの造形が原因だったのか。その先入観を取り払えば、意外と気安くて親しみやすい人柄だったのねこの人。2012/04/04