内容説明
芸術と美少年を愛したとされる、ローマ帝国五賢帝のひとり―ハドリアヌス帝は、政治・法律・文化などのあらゆる面で帝国の統合・均質化をすすめた優れた統治者であった。その業績と人物像を、史料にもとづいて解説する。地図・系図・年表・索引も充実。
目次
第1章 人格形成期と登位
第2章 ハドリアヌス治世の政治史
第3章 行政と政府
第4章 社会、経済、ローマ世界の展望
第5章 文化活動―文学
第6章 文化活動―美術、宗教
結論
著者等紹介
北野徹[キタノトオル]
1938年生まれ。1962年東京大学法学部卒。1970~72年フランス留学。TIS(株)取締役、日本ケーブル・アンド・ワイヤレスCSL(株)常務、TIS(株)監査役、(株)TIS東北ソフトウエアエンジニアリング社長を歴任。現在、(有)エクステリア総合研究所社長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
19
「厳格だが愉快であり、衝動的であるが慎重であり、けちだが気前がよく、無邪気であるが陰険であり、残酷であるが慈悲深く、いつもあらゆる点で気まぐれだ」と評された矛盾だらけの偉大な皇帝の、矛盾だらけの生涯を描き出したもの。翻訳のせいか原文がそうなのか、意味の取りにくい文章が多くて読みにくかったのだ残念です。とはいえ、この奇妙で驚くべき人物について新たな視点による知見を読む事ができたことは嬉しい限り。2022/04/26
デビっちん
2
政治・法律・文化などのあらゆる面で、帝国の統合・均質化をすすめた優れた統治者ハドリアヌス。属州出身者を育て、地方の利益を拡大していく一方で、地方の慣習を尊重しながらも権威主義的手法で介入することを躊躇しなかった。治世のほぼ半分を占める視察旅行は、帝国の資源とニーズの把握、軍隊や防壁の査察、属州行政の監視、臣民からの意見聴取、裁判の開廷、福祉向上を目的とする公共事業の決定のため。みずからの姿を顕示することによって、広大な帝国に強い一体感もたらす。教養が多く、一つの哲学に縛られない。2014/12/22
Doederleinia berycoides
2
ハドリアヌス帝が自分の想像以上に色々な事に取り組んでいて改めて驚かされた。文学や建築においての業績が面白かった。2010/11/14
kozawa
2
もっと研究の進むことを願って2010/06/14