内容説明
「フランスの行動」を意味する右翼団体―アクシオン・フランセーズは、一九〇五年に誕生した。国家再生のために王政復活とカトリックの堅持を主張し、二十世紀フランス政治思想に刻印を残す。その盛衰をたどるとともに、ヴァチカンとの関係や、第二次大戦後の右翼思潮への影響についても解説する。
目次
第1章 起源―ナショナリズムとドレフュス事件
第2章 同盟の確立と伸長(一九〇六~一四年)
第3章 ナショナリズムのピーク―戦争と戦後(一九一四~二五年)
第4章 アクシオン・フランセーズの会員たち
第5章 教皇庁による一九二六年の断罪とその影響
第6章 一九三〇年―変容と不適応
第7章 第二次世界大戦
第8章 アクシオン・フランセーズの継承者たち
著者等紹介
斎藤かぐみ[サイトウカグミ]
1964年生まれ。1988年、東京大学教養学部教養学科卒。1994年、欧州国際高等研究院(ニース)修了。電機メーカー勤務等を経て、現在フリーの翻訳・文筆業、『ル・モンド・ディプロマティーク』の日本語版発行人、フランス語非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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無重力蜜柑
9
まあまあ。20世紀前半に活動したフランスの右翼団体アクシオン・フランセーズに関する本。終始記述的な雰囲気で、事件や人物の行動が淡々と書かれている(それでも時折詩的な表現が混ざるのは流石にフランス人)。フランス右翼といえば自分が最初に想像するのはミシェル・ウエルベック。彼の小説には右翼がよく出てくる(彼にも右翼っぽいところはある)。だが、それでもフランス右翼というのはよくわからない。自分がフランス史に無知だからというのもあろうが、前提としてフランスというのは非常に左翼的な国という印象があるからだ。2025/03/26
kozawa
0
フランスを例に・・・日本に参考になるかはてさて。世界史は複雑だ。2010/02/10
tkm66
0
あまりに手間を喰った・・。でも何かボンヤリと判った事はある。2023/09/18
バルジ
0
フランス近代史に相当詳しくないと読み進めるのは難しい。 ただアクシオン・フランセーズの活動やバチカンとの関係については概略ではあるが知ることができるので、類似の文献がほとんどない状況の下ではかなり勉強になると思う。2018/01/28