内容説明
ファッションを捉えるには、社会学のみならず、美術史学、記号学、心理学などの学際的研究によるところが大きい。本書は、服装をめぐるさまざまな論説を紹介し、その成果と新たな方向性を探る。さらに、イメージを媒介とする手法でファッションと社会との関係を浮き彫りにする。
目次
第1部 黎明期(ファッションと社会;作家とジャーナリスト;社会学者と経済学者)
第2部 発展期(文化の社会学とファッションの社会学;ファッションの社会学の成立;ファッションの社会学に関連して)
第3部 洗練期(反抗と社会的表現としての社会学;ファッション・イメージの社会学;ファッション・イメージの人類学)
著者等紹介
北浦春香[キタウラハルカ]
東京生まれ。東京大学法学部卒。外務省勤務、ストラスブール大学(フランス)留学を経て、英語・仏語の翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
4
TIME誌の世界で最も影響力のある百人の一人が柳井正ユニクロCEOである。それでブティック産業にも関心をと思い借りた。G.タルドは、模倣・流行の社会学を提唱(33頁)。現代はメガヒットしにくい時代かもしれないが、社会心理学の祖。T.ヴェブレンの『有閑階級の理論』は、顕示的消費(見せびらかし)で知ってはいた。G.ジンメルは、ファッションの本質を完全な実現を目指しつつ、最終目標に達する過程で自己矛盾し、、自滅する現象とした(43頁)。的を射ていると思える。永続はしないブームなのだ。着飾る理由を考えたい一冊に。2013/04/23
ぷほは
3
大学図書館の電子ブック学外利用で流し読み。ストリートファッションについての記述などは最初から期待していないので、ジンメル以前の19世紀ファッション論、ダンディズムやボードレール、バルザックについてきちんと押さえてあるのがありがたかった。ブルデュー以降はもう同時代なので特にこのタイプで面白い論点は出てこないが、ジェンダーがファッションにとって如何に重要でアクチュアルであるかを再確認させてくれる。サンローランの女性用テーラードジャケットの話が印象的。あとはオリエンタリズム論がオリエンタリズムに陥っている気が。2022/03/24
ubon-ratchat
2
ファッションに関する議論を概観するのに有効。2010/09/22
haji
1
▼途中まで読んだ。▼社会学的な観点で読み解くよりも、美学的、生物学的/精神医学的な観点の方が自分は興味があるのかなぁと思った。▼でもファッションとモード(=流行)は切り離せないし、というか同義語のようなものだから、無視出来ないのかなぁ。2012/03/18
Naota_t
0
2010/10/282010/10/03