内容説明
アジア大陸の文化と英知が蓄積される豊饒の地―朝鮮は、度々外敵の侵略を受けたが、それを打ち砕いて類い稀な歴史を築いてきた。本書は、その民族通史を簡潔に紹介する。「補遺」を加えることにより六カ国協議再開までをわかりやすく解説している。隣国の人びとについての理解を深める礎となる一冊。
目次
第1章 上古
第2章 半島における新しい国家の形成(前一世紀~七世紀)
第3章 新羅の隆盛期(六五〇年頃~九一八年)
第4章 高麗時代(九一八~一三九二年)
第5章 李朝時代(一三九二~一九〇一年)
第6章 日本の支配(一九一〇~一九四五年)
第7章 一九四五年以降の朝鮮
著者等紹介
金容権[キムヨングォン]
1947年生。1971年早稲田大学文学部卒。朝鮮現代史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kenitirokikuti
6
図書館にて。文庫クセジュの古い朝鮮史の増補版。オリジナルの刊行は1969年、高麗と李氏朝鮮の記述が中心で、日本の支配と1945以後は少ない。増補版の近現代史の部分は、朝鮮史学会とか梶村秀樹の影響が強いようす。原著者も文化史寄りらしく、産業や工業に関する記述はほとんどない。銀について知るには他の本にあたるしかないようだ2020/07/29
瓜月(武部伸一)
6
いつか朝鮮通史を読まねばと思い、何冊か手に取ったが、いつも高麗の入口あたりで挫折。ハンディな本書で恥ずかしながら初めて通読。大まかな朝鮮史の流れをつかむ。著者がフランスの大学教授時代の著書ゆえか、半島を一歩引いた位置から見ている印象を受ける。記述の少ない近現代史部分は、訳者金容権氏が補論。訳者あとがきによるとゲラを故梶村秀樹氏に読んでもらったとの事で、なんだかホットする気持ち。今回はいわば朝鮮半島の全図を眺めただけとも言える。興味のある社会史・経済史・日朝関係史の分野を知るため、更に他の本を読み進めたい。2019/09/08
Hisashi Tokunaga
1
さらさらと読み進むうちに、内容は多分朝鮮国民にとってはポピュラーなんだろうけど私にとっては新鮮でした。訳者の追記も含めて2008年の李明博時代までの記述でした。外敵からの侵略や中国儒教の影響などの日本との相違が興味深い。まずは入門書。2017/05/21
らっそ
1
はじめての朝鮮通史。著者は母国である朝鮮を少し距離をおいて見ているように感じた。自分は彼と同じくらいの距離感で日本を考えることはできないと思う。ひいて物事を見れたら世界は違って見えるんだろう。お手本にしたい。秀吉の朝鮮出兵以降の記述が少ないので、他の本で要補填 気になる部分:数多くの高麗貴族が自分の名として、朝鮮名以外に蒙古式人名を使った。そのあまりの熱心さに、さすがのフビライ汗もかえって疑ったに違いない。ともあれ、一二七八年彼は高麗王に、「なぜ、なんじは自国の風習を捨てるのか」とたずねたという2012/10/12
konibi
0
隣国ながら全く知らなかった、朝鮮の歴史。新書本の気安さで通史を読む。 訳者の補遺も参考になり、理解を助けてくれた。なんとなく朝鮮の方々の歴史的背景がわかったような気がした。4 若図2015/09/16