内容説明
一八五九年、石油の本格的採掘が米国で始まった。それにつづく企業の創設、巨大多国籍化、国有・民営化、合併・買収などの国際石油資本の変遷をたどる。二〇〇六年四月までの動向を押さえた補遺と専門家による解説も収録。エネルギー安全保障で日本と類似するフランスの立場から論じた概説書。
目次
序章
第1章 国際的大産業の誕生―灯油からガソリンまで(一八五九~一九一四年)(ドレーク「大佐」の愚行;石油の時代が始まった ほか)
第2章 戦間期―石油産業の国際化とその発展(一九一四~四五年)(アングロ・ペルシア石油の誕生;一九一四年から一九一八年の戦争(第一次世界大戦) ほか)
第3章 エネルギー市場に君臨する石油、大企業の絶頂期(一九四五~七〇年)(戦後期の英米による石油協議;イラク石油内部の争いの種となったアラムコ ほか)
第4章 激動の時代(一九七〇~九二年)(「現状」の中断―第一次石油ショック;石油企業の国有化 ほか)
結論
著者等紹介
三浦礼恒[ミウラノリツネ]
1973年東京生まれ。成城大学大学院法学研究科修了。現在は製薬会社勤務のかたわら、『ル・モンド・ディプロマティーク』日本語・電子版の有志スタッフ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroshi
5
太古の時代から燃える水として知られていた石油。地上に滲みでたものが手作業で採取されるだけだった。1859年にペンシルベニア州のタイタスビルの小さな谷でドレーク大佐(通称)が石油井戸の発掘に成功し石油産業が始まる。そこから1992年までの石油の歴史の本。①国際的大産業の誕生(1859~1914)、②戦間期(1914~45)、③エネルギー市場に君臨する石油、大企業の絶頂期(1945~70)、④激動の時代(1970~92)、⑤2006年の補遺、からなる。①アメリカで石油産業が始まり、ロシアのバクーでも油田発見。2022/10/20
Mealla0v0
4
石油というエネルギー源の採掘、そのための資金繰りといった賭けから、石油会社が次第に組織化されていく過程、複数の会社の競合といった様相の記述が多め。西側諸国が石油依存を強めると中東諸国が「石油の圧力」を行使するようになったことも指摘されているが、この地域が植民地支配されていった経緯については記述がなく、基本的には西側の発展が中心となっている。個人的には、石油という物質がどのように社会を再編していったかを知りたかったので、そういう天では不満足ではあるが、大雑把に石油会社が大資本を形成していったかが把握できた。2024/08/20
天茶
1
★★★☆☆ 「石油の歴史」というより「石油会社の歴史」といった感じだったけど、それも「石油の歴史」の一側面なのだろう。主として欧米の石油会社の動向が中心なものの、中東を中心に産油国との関係にも多く言及される。できれば石油の存在が産油国側に与えた歴史ももう少しほしいところ。石油会社は合併が繰り返され名前が次々変わるのでついていくのが大変だが、本書はよくまとまっている方だろう。2021/06/08
kobu
1
「石油の世紀」のいいサマリーになっているが、翻訳が直訳なのと、広範囲を短く網羅している為、記述が平板で面白みにかけ、非常に読みづらかった。かなりの基礎知識が必要。著者がトタール出身のフランス人であるところは、若干視点が異なり、面白みがあったが。2017/07/07
kuro_kuroyon
1
「イスラームの歴史」と対で読んだ一冊。非常備複雑で数多い人間ドラマの石油の歴史を網羅的に、余すところなく記載されている。文字通り石油の歴史を知るには格好の入門書。この本で精油の歴史に興味が出たら「石油の世紀 上・下」(絶版)をお勧めします。個人的には、ロイヤル・ダッチ/シェルグループの合併に尽力しつつ、自分の利権を5%確保したグルベンキアン氏の記述がもう少し欲しかった。2012/03/03
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