内容説明
「帝国」の再興に心をくだいた、六世紀の偉大な皇帝―ユスティニアヌスは、世界の新たな統合原理となるキリスト教の教義論争に介入し、イデオロギーの統一にも情熱を注いだ。本書は、当時の政治・経済の枠組を解説しながら、ユスティニアヌス帝の法制・行政改革や宗教政策など、多彩な事績の全貌を示す。
目次
第1章 統治の枠組み
第2章 帝国統治の役者たち
第3章 法と秩序
第4章 再征服戦争
第5章 防衛戦争
第6章 社会経済上の諸問題
第7章 宗教政策
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホームズ
19
もう少しユスティニアヌス帝個人についての記述があれば良かったかな。ユスティニアヌス本人というよりもユスティニアヌスが統治した時代のローマと周辺国との関係がメインな感じでしたね。それでヴァンダル王国やペルシャ帝国との戦いの記述はやはり興味深かった。特にペルシャ帝国とローマ帝国との関係には興味があるからもっと色んな本を読みたいな(笑)そして仕方ないけどユスティニアヌスの前の皇帝がユスティヌスで混乱しやすかった(笑)2013/05/07
Saiid al-Halawi
6
ユスティーの人物像云々っていうよりはその治世で成された事績集の色が濃い。ビザンツで領内に馬が沸かなかった時のテンションの下がりようときたらもう・・・2013/02/26
中島直人
5
(図書館)読了2023/07/16
TMHR ODR
3
宗教政策部分はもっと自分に予備知識が必要だけど、それ以外はとてもよくまとまっているユスティニアヌス治世の概説本。しかもクセジュのくせに日本語訳もいいぞ!ってことで☆×3。よく知られる法体系の集成など社会の規律化を進めたり、取り組みの幅の広さを考えたらこの時代の前後の皇帝の比較にならないほど偉大なんだろうけど、対外的にはなんでもカネで済ませて結局財政難になってしまうなど結構場当たり的で、総じて偉大とは思えない。その辺り、余計なイメージ抜きで事実と事実に近い仮設だけでドライに書かれていて理解が進んだ。2017/03/01
Doederleinia berycoides
2
簡潔な良書だと思う。Justinianus治世の関係者達が結構いて、参考になった。本当に興味があったのはBelisariusだったが、彼についてはそれ程多くは書かれていない。2012/10/10