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出版社内容情報
岩村透とは誰か。文化芸術はなぜ社会に必要か。
黒田清輝や森鴎外の盟友でありながら、忘却の彼方となった美術批評家・岩村透。
なぜ彼は忘れられたのか--美校の初代西洋美術史教授であった彼は、制作家と社会を結ぶ批評を重視し、「美術」による社会変革を試みた。1910年代の日本で、百年後の「美術と社会」を見据え、美術ジャーナリズムやアーツマネジメントを展開。言論統制下に美術行政を論じながらも早逝した彼の仕事の全貌と、驚くほど多分野の人々との共闘の足跡を辿る。
文学・絵画・彫刻・工芸・建築・社会思想などを繋ぐ学際研究、著者畢生の大作。
上下2巻で、新出図版も多数。カラー口絵各8頁。
年譜・参考文献・巻末関連資料など完備。
内容説明
黒田清輝や森鴎外の盟友でありながら、忘却の彼方となった美術批評家・岩村透。美校初代の西洋美術史教授の彼は、一九一〇年代の日本で、百年後の「美術と社会」を見据え、美術ジャーナリズムやアーツマネジメントを展開。言論統制下に美術行政を論じ、文学・絵画・彫刻・工芸から建築にまで及ぶ仕事の全貌を辿る。研究三十年、執筆十年に及ぶ畢生の大著、今ここに成る。
目次
第5部 美術行政とアーツマネジメントの先駆者(「美術問題」の輿論形成に向けて―“時言”“週報言”の戦略;海外美術情報の領分―生きて動く世界美術史;『日本美術年鑑』の百年―国内美術情報収集の意味とその継承者たち;美術行政とアーツマネジメントへのめざめ―国民美術協会という遺産;美術と建築、技芸家と社会;歴史が照らすもの―美術行政とアーツマネジメントの先駆者)
第6部 途絶された旅路―岩村教授復職却下事件の真相(ボヘミアニズムの光と闇―岩村教授復職却下事件の真相と高等遊民問題;幻の著作―二言語使用者の夢)
大樹の倒れたあとに―岩村透没後十年忌(一九二六年)本瑞寺所蔵追善作品群の意味
著者等紹介
今橋映子[イマハシエイコ]
1961年、東京生まれ。現在、東京大学大学院総合文化研究科・教授。博士(学術)。専門は、比較文学・比較文化。『異都憧憬 日本人のパリ』(柏書房、1993年)でサントリー学芸賞、渋沢クローデル特別賞を受賞。『“パリ写真”の世紀』(白水社、2003年)で重森弘淹写真評論賞、島田謹二記念学藝賞、日本写真協会賞学芸賞を受賞。パリ神話と外国人芸術家の関係を扱った異文化表象論、都市写真を中心とする写真文化研究などを経て、2008年以降は、日本近代美術批評を思想文化の中で問い直す仕事を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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