ヒュパティア―後期ローマ帝国の女性知識人

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ヒュパティア―後期ローマ帝国の女性知識人

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  • サイズ 46判/ページ数 276p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560097946
  • NDC分類 131.9
  • Cコード C0022

出版社内容情報

象徴としてだけでなく、何を成し遂げたかを考察

 ヒュパティアは4世紀後半~5世紀初頭、ローマ帝国のアレクサンドリアで、優れた数学者・哲学者として弟子から政界と宗教界に要人を輩出しつつも、キリスト教徒の政治的対立に巻き込まれて415年に非業の死を遂げた。本書はその生涯に加えて、死後まもなくから21世紀にいたるまでの伝説と受容の長い歴史を紹介するとともに、ともすればそれらに埋もれがちな、彼女が実際に成し遂げたこと、その時代において達成したことは何なのかを考察する。
 当時の知識階層における男女それぞれの教育の異なる傾向とその社会的な事情は、女性哲学者たちを生み出す土壌となった。高名な数学者テオンの娘に生まれて学塾を率い、「公的知識人」の役割を担った新プラトン主義者ヒュパティアの活動を、著者は、教義論争と党派間対立に揺れる当時のアレクサンドリアの知的風土と、古代末期ローマ帝国のエリート層の生態のうちに位置づけて、簡明に論じる。
 時代の制約のなかに生きる女性知識人をあたたかいまなざしで見つつ、ヒュパティアを過剰に聖女や悲劇のヒロインとして美化することがない視点で描かれた評伝。

内容説明

四世紀後半~五世紀初頭のアレクサンドリアで、優れた数学者・哲学者として弟子から政界と宗教界に要人を輩出しつつも、激動の時代の政治的対立に巻き込まれ非業の死を遂げた女性の、伝説と実像。

目次

大斎の殺人
アレクサンドリア
幼年時代と教育
ヒュパティアの学校
中年期
哲学の母とその子どもたち
公共的知識人
ヒュパティアの姉妹たち
路上の殺人
ヒュパティアの記憶
近代の象徴
伝説を再考する

著者等紹介

ワッツ,エドワード・J.[ワッツ,エドワードJ.] [Watts,Edward J.]
古代末期地中海世界における宗教史・社会史・インテレクチュアル・ヒストリーを専門領域とし、イェール大学で博士号(Ph.D)を取得。カリフォルニア大学サンディエゴ校教授。人文学部歴史学科長、アルキヴィアディス・ヴァシリアディス・ビザンツ史寄付講座長

中西恭子[ナカニシキョウコ]
東京大学大学院人文社会系研究科研究員。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て津田塾大学ほか非常勤講師。東京大学文学部西洋史学科卒業、東京大学大学院人文社会系研究科欧米系文化研究専攻西洋史学専門分野修士課程修了、東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻宗教学宗教史学専門分野博士課程修了。博士(文学)。古代末期地中海宗教史。西洋古典受容史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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星落秋風五丈原

30
映画『 アレキサンドリア』でレイチェル・ワイズが演じている哲学者だが殺され方が尋常ではない。単なる恨みなら死体を姿なきまでに損壊する必要がない。いったいなぜ殺されたのかというのがずっと気になっていた。あの死体損壊には恐怖のようなものも感じるのです。 2022/01/03

ぼけみあん@ARIA6人娘さんが好き

15
ヒュパティアの惨殺についてもっと煽るのかと思っていたら、意外と冷静な筆致でとても勉強になった。ローマ帝国末期になっても、700年も前のプラトンの思想がここまで重視されていたとは知らなかった。2023/03/30

singoito2

10
読友さん切っ掛け。すでに詳細なレヴュがたくさんあるので内容についてはそちらをご覧ください。4~5世紀のローマ地中海世界における女性や哲学、教会の動向が生き生きと描写されていて、とても良い学びになりました。ピロティノスやプロクロスなどの新プラトン主義哲学、あるいはホモウシオス対ホモイウシオスの三位一体論争などに興味ある方にはお奨めです。2022/11/11

rinakko

10
“ヒュパティアはいつも「女性の」哲学者として認識されていたので、周囲の多くの哲学者とは常に異質だった。” “ヒュパティアがこのようなことがらを耐え忍ぶとき何を考えていたのか、我々は知ることができない。それでも、ヒュパティアが公の場で教え、公の場で代弁者となる哲学者の役割を引き受ける決意をしたとき、極度に難しい、感情の負担も大きいなにかに着手したのだとはいえる。フェミニズム以前の世界において、彼女はそれをたったひとりでなしたのである。(略)ヒュパティアはほかの女性哲学者たちの活動の限界を押しのけた、2021/12/02

じぇろポーta

6
「自分が維持した世界ゆえにではなく、そこからの凄惨な去り方のせいで千六百年以上にわたって自分が知られてきたのだと知ったら、彼女は間違いなく憤慨するだろう」非業の死を遂げたローマ帝国末期の女性哲学者その実像。死後歴史記述者、文学者らの語りたい主張に沿うように姿を変えていくヒュパティア像。巷間に流布する印象と違い、彼女の死は古代の異教(多神教)社会の終焉も理性の時代の終焉も意味しない(その後何世紀も宗教共同体は存続するし、哲学研究も途切れることはなかった)。2022/01/17

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