出版社内容情報
さて、最初の値をつけるのはどなたかな?
「ハイウェイ」ことグスタボ・サンチェス・サンチェスは、自称「世界一の競売人」。爪や髪など取るに足りないものを集めるのが好きな目立たない子どもとして育つ。メキシコ市近郊の町エカテペックにあるフメックス社のジュース工場で警備員の仕事に就き、思わぬ事件に巻き込まれるが、事なきを得る。昇進を告げられたハイウェイは、危機管理のためのさまざまなセミナーを受け始めるが、ある講座で出会った妻の意向で、警備員の仕事を辞めてしまい、ひょんなことから競売人(オークショニア)への道を目指すことになる。
アメリカに渡り、オクラホマ師匠のもとで競売術の修業を積んだあと、ハイウェイはメキシコに戻る。だがオークションの仕事にはなかなか恵まれない。そんなとき、聖アポロニア教会の神父から慈善オークションの開催を打診され、自らの秘蔵コレクションからとっておきの品々を競売にかけることを決意する……。
現実のフメックス社の工場労働者との共同制作でもある本書は、現実とフィクション、現代アートと文学を融合させ、読者を煙に巻き、思わぬ結末へと導く仕掛けに満ちている。世界15か国で刊行、メキシコ出身の新鋭による斬新なコラボレーション小説。
内容説明
「世界一の競売人」が、教会の資金集めオークションにかけたものとは?現実とフィクションを融合させ、読者を煙に巻き、思わぬ結末へと導く。
著者等紹介
ルイセリ,バレリア[ルイセリ,バレリア] [Luiselli,Valeria]
1983年メキシコ市生まれ。幼少期をコスタリカと韓国で過ごし、南アフリカを経てメキシコに帰国。メキシコ国立自治大学卒業後、コロンビア大学博士課程で比較文学を学ぶ。2010年、初のエッセイ集Papeles Falsosを、翌2011年には初の中篇小説Los ingr´avidosをメキシコで刊行。2013年に同じくメキシコで出版された小説La historia de mis dientesは、その実験的作風からスペイン語圏では大きな反響を呼ばなかったが、クリスティーナ・マクスウィーニーとの共訳により英語版The Story of My Teethとして2015年に刊行された本書は、同年の「ニューヨーク・タイムズ」紙の「注目の100冊」と「ロサンゼルス・タイムズ」紙文学賞に選出、同年の全米批評家協会賞および2017年度IMPACダブリン文学賞の最終候補作に選ばれ、10以上の国で翻訳されている。2017年に刊行したTell Me How It Ends:An Essay in 40 Questionsは、同年の全米批評家協会賞の最終候補作に選ばれ、2018年度米国図書賞を受賞。2017年には全米図書賞の選考委員も務めた。2019年、「天才賞」とも呼ばれるマッカーサー奨学金を取得
松本健二[マツモトケンジ]
1968年生まれ。大阪大学言語文化研究科准教授。ラテンアメリカ文学研究者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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