内容説明
「ギリシアらしさ」とは何か。ギリシア人対異民族、市民対非市民…自己と他者との二項対立の思考法によって自らを認識した、ギリシア人の特異なメンタリティを解明する。
目次
第1章 意義ある他者―われらと彼ら
第2章 過去を創造する―歴史対神話
第3章 異邦の知―ギリシア人対異民族
第4章 歴史とジェンダー―男性対女性
第5章 会員制クラブにて―市民対非市民
第6章 非人間的束縛について―自由人対奴隷
第7章 おのれの分限を知る―神々対人間
著者等紹介
カートリッジ,ポール[カートリッジ,ポール] [Cartledge,Paul]
1947年イギリス生まれ。オクスフォード大学で博士号を取得、79年よりケンブリッジ大学で教鞭をとる。2008年から14年まで同大学A・G・レヴェンティス財団ギリシア文化教授。現在ニューヨーク大学客員教授
橋場弦[ハシバユズル]
1961年札幌生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了、博士(文学)。東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゲオルギオ・ハーン
21
歴史学かと思いきや構造主義人類学モデルで古代ギリシアの古典を分析するという難解な内容だった。各章のサブタイトル的に二項対立の要素もあるのだけれど、論述している内容がどうにも腑に落ちない。さらに著者は洒落や言葉遊びが好きだそうで訳者がとても苦労した様子が本文やあとがきからなんとなく伝わってくる。各章の分析も飛躍していてなんだかよく分からない結論の連続だった(言葉遊びがそれを助長していて余計読みにくい)。古代ギリシアの知識よりも構造主義についての知識を試される本。2021/06/21