出版社内容情報
ときは終戦直後。カメラもなければ、フィルムもない。それでも「邦画史上初のキスシーン」を撮るべく奮闘する映画人の物語。圧倒的なセリフの巧さで魅せる日本映画史の転換点
この国のキスは、おれたちがはじめてみせる! カメラもなければ、フィルムもない。それでも戦後日本のシネアストたちが、「邦画史上初のキスシーン」を撮影した者の称号を我先にと得るべく、奮闘する物語。史実を踏まえつつ、戦後の混乱を生きる人々の姿が力強く描かれ、そのセリフと仕掛けの巧さは選考委員に絶賛された。
「劇作家のやるべきことをやってる、という意味では最も評価すべき作品だ」――岩松了
「読んでいて飽きず、笑えて、適度にカモフラージュされてはいるが過剰なロマンに溢れている」――ケラリーノ・サンドロヴィッチ
「読んでいて、こちらの心が弾むばかりに楽しい。言葉が踊っている。よくできているなあ、と唸らせる」――野田秀樹
「すでに新人とはいえないほど劇作の筆力があるのを感じ、見事な筆さばきに感服する」――宮沢章夫
(選評より)
本作は2017年3月、浅草九劇のこけら落とし公演として上演された。巻末には「特別付録」として、舞台美術資料や舞台写真を収録。
福原 充則[フクハラ ミツノリ]
著・文・その他
内容説明
第62回岸田國士戯曲賞受賞作品。戦後日本のシネアストたちが「邦画史上初のキスシーン」をめぐって奮闘する物語。
著者等紹介
福原充則[フクハラミツノリ]
1975年、神奈川県生まれ。東京工芸大学芸術学部映像学科卒業。2002年にピチチ5(クインテット)を旗揚げ、主宰と脚本・演出を務める。また、ニッポンの河川、ベッド&メイキングスなど複数のユニットを立ち上げ、幅広い活動を展開する。『その夜明け、嘘。』(09年)が第54回の、『つんざき行路、されるがまま』(14年)が第59回の岸田國士戯曲賞最終候補作品にノミネートされる。『あたらしいエクスプロージョン』で第62回岸田國士戯曲賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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