出版社内容情報
最新史料から見える「人間レーニン」とは?妻や愛人、同志や敵、人物模様と逸話を通して革命の舞台裏と意外な素顔に迫る傑作評伝!
内容説明
同志より、妻と愛人に信を置いた革命家の「素顔」。生誕から革命前夜まで、書簡など新史料を駆使して、その人間像と真髄に迫る傑作評伝!
目次
クーデター
貴族の巣
牧歌的な幼年期
兄の絞首刑
警察国家
革命教育
弁護士ウラジーミル・イリイッチ
ナージャ―マルクス主義者の求愛
言葉、真実、論法
海外経験〔ほか〕
著者等紹介
セベスチェン,ヴィクター[セベスチェン,ヴィクター] [Sebestyen,Victor]
ハンガリー・ブダベスト生まれ。幼少時に家族とともに難民として母国を離れる。ロンドンの『イブニング・スタンダード』紙で主任論説委員を務め、『ザ・タイムズ』『デーリー・メール』など数多くの新聞社で活躍。東欧共産主義政権の崩壊、旧ユーゴスラヴィア紛争などを報道
三浦元博[ミウラモトヒロ]
共同通信社を経て、大妻女子大学社会情報学部教授
横山司[ヨコヤマツカサ]
共同通信社ナイロビ、ロンドン、香港各特派員を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイトKATE
28
レーニンは苛烈極まりない人生を生きた。その人生は、革命家の人生だった。16歳で皇帝暗殺に関わった兄が処刑されたことから皇帝を憎み、大学生の時にマルクスと出会ったことで帝政打倒を誓った。レーニンは同志であっても意にそぐわない者は容赦なく攻撃した。さらに凄まじいのは、自分の主張が支持されなくても妥協せず、正当性をまくし立て論敵を言い負かす術を備えていた。この評伝は、革命家レーニンの生涯だけでなく、質素な生活と自然やスポーツ、猫を好むという意外な姿。男性は闘争相手であり信用しなかった一方で、母、姉、妹、(続く)2022/01/09
健
5
これは面白かった。レーニンってこんな人だったのかということが良くわかる。一種の偏執狂だけど、こういう人が最終的に権力を掌握するのだろう。お近づきにはなりたくないけど、集団の中で強力な磁力を発揮する人。毛沢東にしても、ヒトラーにしても同じなんじゃないだろうか。一方、ナージャとの二人三脚振りは微笑ましくもあって、複雑な人物像がよく描かれていた。下巻ではいよいよ権力を掌握するはず。どうなっていくのか楽しみだ。2019/01/15
田中峰和
5
レーニンといえば、ハゲ。25歳で逮捕されたときの写真でも既に禿げていた。母親が心配するほど、発達の遅かったレーニンだが、学生運動で退学後、数カ月の勉強で弁護士資格をとるほどの優秀な頭脳だった。だが、偏狭な性格は若い頃からで、組織内で対立する相手には徹底して論破する。長年、親友だったマルトフも不倶戴天の政敵となってしまう。レーニンが心を許したのは妻のナージャと愛人のイネッサ、そして母や姉妹たち。女性ばかり。母が死ぬ直前まで経済的援助を受けられるおぼっちゃんでマザコンの影響もあったのか、男は常に宿敵だった。2018/03/15
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