出版社内容情報
『小説の技巧』の作家の本領発揮! 初期から80歳まで、作家の経験に基づいて描かれた、笑いと皮肉が満載の傑作短篇集。全8編収録
内容説明
コミック・ノヴェルの名手が満を持して放つ、自身初の傑作短篇集。表題作をはじめ全8篇収録。
著者等紹介
ロッジ,デイヴィッド[ロッジ,デイヴィッド] [Lodge,David]
1935年、ロンドン生まれ。英国を代表するコミック・ノヴェルの大御所
高儀進[タカギススム]
1935年生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。翻訳家。日本文藝家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
148
《おすすめ》『交換教授』などで有名なロッジの数少ない短編集。1番目にくる表題作も悪くは無いが、次々に読んでいくと味わいがどんどん増してくる。イギリス式ブラック・ユーモアの括りにはなると思うが、効き方に嫌味がなく私にはちょうど良かった。最後に本人による各短編の説明があるが、これも贅沢なデザート♡ どれも好きだが、大切なものをしまって取っておく子供の気持ちが涙の結末になる『うそ』。コート・ダジュールで、トップレスの仏女の胸を見ない振りで賞賛する英国紳士がおかしい『オテル・デ・ブーブス』が特に好き。2017/12/11
ニミッツクラス
26
17年(平成29年)の税抜2200円の白水社単行本初版。著者ロッジが81歳時の、元々ある6編に近年の2編を追加した初の短編集。ロッジはコミック・ノベル(英文学の一種で漫画とは関係ない)の旗手で、長編が圧倒的に多く、納まりの好い、つまり予定調和なハーレクインのような構成が人気だ。本書は表題作を含む目次の字面から奇譚系かな、と思って読んでみたが…そういう話でも無い。表題作は朝起きたくない駄々っ子のような社会人男性の顛末で、ラスト部分を改稿してあるそうだ。著者自身の丁寧な解説はアシモフを彷彿。★★★★☆☆2023/01/25
就寝30分前
23
超短編集。自分の意志でベットから起きないことを決めた男。周囲の対応が段々変わっていく様子が興味深い。が2話でギブ。教科書を読んでるようだ。2017/09/13
ふう
14
デイヴィッド・ロッジといえば「小説の技巧」(懐かしいなあ。読み直したい)。彼の50年に渡る作品を集めた、82歳にして初の短篇集。さくっと軽く、それでいて深い人生の皮肉がたっぷりなんだけど、それが嫌味だとか変に教訓になってなくて○。古臭さを感じさせない訳もいい。他の著作「大英博物館が倒れる」とか「赤毛よ、お前は阿呆だ」なんてタイトルだけで面白いに違いないと思える。読みたい。2017/12/04
春ドーナツ
12
随分久しぶりにD氏の小説を読む。「わたしたちが孤児だったころ」に何を手にしたか最早思い出せない。記憶が「わたしを離さないで」と叫ぶけれど、致し方ない。本書はD氏82歳にして初の短篇集と知って驚く。「日の名残り」どころではない、半世紀近くに渡って書き継がれた才気迸る書である。詳細な訳者あとがきが心憎い。おかげで「D氏リバイバル作戦」という読書計画を閃いた(私は本を読むより、計画を立てる方が好き)。「絶倫の人 小説H・G・ウェルズ」で先鞭をつけよう。ちなみにH氏は「浮世の画家」ではありません。2018/02/02
-
- 電子書籍
- 鬼の大事典(下) 妖怪・王権・性の解読