彼女はマリウポリからやってきた

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彼女はマリウポリからやってきた

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  • サイズ 46判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560094679
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

出版社内容情報

半世紀以上を経て娘が探し当てた亡き母の生

 ロシアとウクライナの血を引くドイツ語作家が、亡き母の痕跡と自らのルーツを見いだす瞠目の書。
 母エウゲニアは、著者が10歳のとき若くして世を去った。幼い娘が知っていたのは、母がマリウポリで生まれたこと、第二次世界大戦中、両親が強制労働者としてウクライナからドイツに連行されたこと、曾祖父が石炭商人、祖母がイタリア人だったらしいことくらい。母の運命を辿ろうとこれまで何度か試みたが、成果はなかった。ところが、2013年のある夏の夜、ふと思い立ってロシア語の検索サイトに母の名前を打ち込んでみたところ、思いがけずヒットする。ここから手探りの調査と驚くべき物語が始まる。
 「ここ一年ほど悲しい姿ばかりが報道されたウクライナのマリウポリだが、その多文化都市としての輝かしい歴史と、そこに生きた作者の親族の運命が、この小説には知的なユーモアと息苦しいほどの好奇心をもって描かれている」(多和田葉子氏)
 ウクライナの船主、バルト・ドイツの貴族、裕福なイタリア商人、学者、オペラ歌手など、存在すら知らなかった親類縁者の過去が次々と顕わになり、その思いもよらぬ光景に著者は息を呑み、読者もそれを追体験する。忘却に抗い、沈黙に耳をすませ、失われた家族の歴史(ファミリーストーリー)を永遠にとどめる世紀の小説。ライプツィヒ書籍見本市賞受賞作。

内容説明

半世紀以上を経て娘が探し当てた亡き母の生。二〇一三年のある夏の夜、若くして逝った母の痕跡をたどる旅が始まった。手がかりとなるのは母の名前と残された三枚の写真、二通の書類、そして「わたし」のおぼろげな記憶だけ。忘却に抗い、失われた家族の歴史と、自らのルーツを見いだす瞠目の書。ライプツィヒ書籍見本市賞受賞作。

著者等紹介

ヴォーディン,ナターシャ[ヴォーディン,ナターシャ] [Wodin,Natascha]
1945年バイエルン州フュルトで、戦時中ドイツに強制労働者として連行されたロシア人の父とウクライナ人の母のもとに生まれる。少女時代を難民収容所で過ごし、母親を早くに亡くしたあと、カトリックの女子施設で育つ。電話交換手や速記タイピストとして働いたのち、ロシア語を学び直し、通訳の資格を取得。1970年代にソ連を訪問。1980年代の一時期モスクワに暮らし、数多くの著名な作家と知り合い、ロシア文学の翻訳を始める。1980年から作家として活動を開始、1983年、Die gl¨aserne Stadt(『ガラスの街』)でデビュー。その後、ヘルマン・ヘッセ賞(1984年)、シャミッソー賞(1998年)、グリム兄弟賞(1989年と2009年)、アルフレート・デーブリーン賞(2015年)を受賞。2017年に刊行した「彼女はマリウポリからやってきた」はライプツィヒ書籍見本市賞とアウグスト・グラーフ・フォン・ブラーデン賞を受賞。2019年にはヒルデ・ドミーン亡命文学賞を受賞した。最新作は2021年に刊行された『ナスターシャの涙』。2022年、これまでの全作品に対してヨーゼフ・ブライトバッハ賞を受賞

川東雅樹[カワヒガシマサキ]
1953年大阪生まれ。1976年北海道大学文学部独文科卒。1980年同大学院博士課程中退。2019年まで秋田大学教育文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

89
ロシア人の父とウクライナ人の母をもつ著者のファミリーヒストリー。ロシアのウクライナ侵攻で歴史に名を刻んだマリウポリ。今も昔も戦争と破壊から切り離すことのできない港湾都市だ。母親は、1944年にマリウポリから東部労働者としてドイツに強制移送され、11年後に36歳で自ら命を絶った。著者が母親と過ごしたドイツでの10年間の記憶とともにマウリポリで生まれた母親の痕跡と家族の係累をたどる旅は、裕福な一族であったことに始まり、マリウポリという磁場からロシア革命と内戦、→2023/03/26

たま

59
引き込まれて読んだ。ドイツ生まれの作家が、ウクライナからの難民で1956年(作家はまだ10歳)に自殺した母親の過去を調査する。それはロシア革命と内乱、スターリンの恐怖政治と飢饉(ホロモドール)、ドイツの侵攻とソ連の反攻に蹂躙され続けた人々の歴史をたどること。内容の重さに目を奪われがちだが、文学的にも素晴らしい。調査の展開が巧みに興味を誘い、ネット世界の闇、歴史の闇と著者の住むシャアール湖の自然描写の交錯もいい。探しあてた親戚たちへのとまどい。そして母の最後の日々の息詰まる再構成。充実の読書だった。 2023/03/18

ヘラジカ

49
家族の来歴、母親の生涯、自らの幼年期の記憶をたどる自伝的ノンフィクション小説。第一部は個人名の氾濫に頭が痛くなる思いをしたが、第二部以降の凄絶なエピソードの連続には時間を忘れて読み耽った。戦禍と恐怖政治に翻弄される人々の生は簡単に言葉では言い表せない。飽くまでも家族のエピソードとして淡々と綴られているのに、濃密で圧倒的な暗黒を目の当たりにし、心が疲弊した。こうした個人の物語の殆どが、大きな歴史のなかに埋没され忘れ去られているのだと考えると遣る瀬なさを感じる。凄まじい作品だった。2023/01/02

Nobuko Hashimoto

36
表紙に浮かぶ端正な顔立ちの女性は、ウクライナの港町マリウポリからやってきたという著者の母。本書は、小さなころに母を亡くした著者によるルーツ探しの本であり、マリウポリという大国に踏みにじられ、翻弄されたウクライナの悲劇の街の歴史をたどる本でもある。関西ウーマンの月イチ書評で取り上げました。本文はこちらから。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=2022442023/06/01

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

24
ソビエト時代に「恥ずべき存在」「殺されてる理由になる」という貴族の生まれの作者の母親のルーツを探すノンフィクション。生まれ落ちた時から恐怖と自分は恥ずべき存在として今のウクライナに育ち、スターリン下で飢餓の中を生き、戦争が起こりドイツへ労働収容所に赴き、戦後はドイツで劣等人種のロシア人として生き、37歳で自死する。その迫害と恐怖の短い生涯。作者も凄まじい子ども時代を送るが、その後通訳となり、文章を書く作家となる。 度々戦場となり、作物や人々が搾取され悲劇のウクライナ。今も続いている。2023/05/30

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