日本の「第九」―合唱が社会を変える

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日本の「第九」―合唱が社会を変える

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  • サイズ 46判/ページ数 302p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560094662
  • NDC分類 767.4
  • Cコード C0073

出版社内容情報

「第九」が若き日本にもたらした自由と平等

 ベートーヴェンが1824年に完成させた『交響曲第九番』は世界中で演奏され、日本では毎年5万人以上が歌っている。
 この『第九』がいかにして日本に受け入れられ、市民参加型の合唱として定着していったのか。そこにはシラーやベートーヴェンの自由や兄弟愛などへの思いに共鳴し、『第九』を演奏しようとする人びとの姿が見出される。またラジオやレコードといったメディアがこのブームを支えていたことにも気づかされる。
 市民参加型として、戦後すぐの時期に日本各地で上演され、1954年には東京の勤労者音楽協議会(「労音」)が会員参加による『第九』を実現した。さらに調べを進めると、すでに戦前戦中にその土台が整っていたことがわかる。私立学校の合唱団が、新交響楽団(現NHK交響楽団)と幾度となく『第九』を共演するなど、自由学園、成城学園、玉川学園などの教育において音楽などの芸術が重要視され、盛んに合唱がおこなわれていたのである。
 これまであまり知られてこなかった松本や岡山などの『第九』上演関係者の言葉に触れながら、新しいものをみずから生み出そうという希望と熱気に満ちた若々しい日本の姿を描き出す。

内容説明

ベートーヴェンが一八二四年に完成させた『交響曲第九番』(『第九』)は、世界中で演奏され、日本では特に年末に演奏されることで知られている。すでに戦前において、『第九』は「忠臣蔵」や「道成寺」に比せられ、上演すれば満員となる曲だった。単に名曲だから聴くというのではなく、文字通り親しまれてきたと言ってよい。本書は、日本の一九二五年前後から一九五五年前後、おおよそ昭和期の前半にあたる時期に限って、『第九』がいかに受け入れられ、定着していったかを論じていく。

目次

序章
1 大正期から第二次世界大戦期における『第九』―生徒たちが歌う(年末『第九』の端緒;学生・生徒が歌う『第九』;戦時期の『第九』―戦後とのつながり)
2 戦後の『第九』―平和と自由を歌う(戦争が終わって;『第九』のイメージと託されるメッセージ;アマチュアの歌う『第九』)
3 労音の『第九』―つながりを求めて歌う(労音以前の鑑賞団体と『第九』;大阪の労音 十河巌と須藤五郎;東京労音の『第九』)
終章

著者等紹介

矢羽々崇[ヤハバタカシ]
1962年、岩手県盛岡市出身。獨協大学外国語学部ドイツ語学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

104
同じ著者の「第九 祝祭と追悼のドイツ20世紀史」に続き、本書は、日本における「第九」受容史である。日本人による初演が1924年(関東大震災の1年後)、東京大空襲の直後には日比谷公会堂での演奏会、1949年8月6日に広島での演奏(第4楽章だけ)など、歴史の節目に「第九」があった。戦後の第九の普及における「労音」の役割の重要性も認識する。合唱未経験者の素人が、時間をかけて練習を重ねて舞台に立つことによって得られる高揚感が、高度経済成長と重なっている。さて、分断された現代の日本社会で「第九」の意味は何だろうか。2023/03/18

どら猫さとっち

7
ベートーヴェンの交響曲第9番=第九。クラシックのみならず、ジャンルを超え親しまれる名曲だ。日本では年末の風物詩であるが、いつから定着していったか。その後はどのように演奏されたのか。本書でその歴史と謎に迫る。大正から始まり、第二次世界大戦、そしてコロナ禍の現在までを辿っていく。第九が持つメッセージは、世界を超え、この国に根付いている。危機を超え、歓喜へと導くこの曲は、色褪せることなく生き続ける。第九の魅力が詰まった稀有な一冊。2023/04/04

nao1

3
日本にどうやって年末の第九が風物詩と言えるほど根付いていったのかを、膨大な資料からまとめた本。音楽学校の合唱団、私立の学校の合唱団、国内の指導者、外国からの指導者、レコードの普及、ラジオの役割、イベントの企画、収支、楽団の電車移動、宿泊、労音の役割、、、、記録が整然と語られる。 戦前の新しい音楽への憧れ、戦後の音楽への情熱の高まり、歌うものの喜び、聴く人の高揚感、それこそ「歓喜」である。この楽曲と詩の圧倒的なすばらしさが人々を突き動かしていることが浮かび上がった。2023/08/09

茶々丸

3
12月になると頻繁に演奏されるベートーヴェンの交響曲第9番。これが日本でどのように受け入れられてきたのかを紐解いている。 昔、小学生の時にこの曲のメロディーで、通常の第9の歌詞とは異なる日本語で合唱をさせられた記憶がずっとあったのだが、本書にその歌詞が掲載されていたのは懐かしかった。 「よろこびの歌」というタイトルらしいが、今でも小学校でやるのだろうか。しかし、このように小学生でみんながメロディーに親しんだことも、第9がクラシック音楽にあまり縁のない一般市民にも受け入れられた一つの要因だったようだ。2023/01/18

MaRuTaTSu

0
恩師からご恵贈いただいて一気に読了。 確かにアマチュアがこれほど熱心に歌い、また発表する場があるのは日本くらい。2022/12/20

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