出版社内容情報
人間の魂が試される時代、理性を信奉した革命家。
トマス・ペイン(1737-1809)は、大ベストセラー冊子『コモン・センス』『人間の権利』の著作で知られ、二大民主革命(アメリカ独立革命とフランス革命)に大いに寄与した、英国出身の革命思想家だ。ペインの思想は明確で、独立派に勇気を与え、庶民にも受け入れられた。フランス革命期には渡仏して議員として活動、恐怖政治下で投獄もされた。
ペインが訴えた社会改革は、君主制や奴隷制の廃止、格差の是正、義務教育、妊婦の保護など、現代に通じるものだった。
〈生まれが変われば権利や特権も変わるということが神話にすぎないとペインの言葉は暴露した。さらに、その言葉は革命的な新概念を人々の心に植えつけた。それは人が生まれながらに平等だという概念である〉(本書「イントロダクション」より)。
18世紀最大のベストセラー作家にして、哲学者や発明家としての顔も持つトマス・ペインは、人間の魂が試される時代において、英米仏の宗教や政治といかに闘争したか。理性を信奉した「祖国なき革命家」、その全貌に迫る傑作評伝!
付録:主要著作年譜、『理性の時代』目次と梗概。図版多数。
内容説明
18世紀最大のベストセラー作家にして、哲学者や発明家としての顔も持つトマス・ペインは、英米仏の宗教や政治といかに闘争したか。理性を信奉した「祖国なき革命家」、その全貌に迫る傑作評伝!
目次
ペインの嘆き
『コモン・センス』
人間の魂が試される時代
アメリカの危機
哀れなペインにしてやれることはないのか?
金や銀は貨幣だが紙幣はただの紙切れだ
市民ペイン
二都物語
恐怖政治
宗教の名の下に
ワシントンへの手紙
堕ちた偶像
専制政治からの人類の救出
アメリカ帝国が滅ぶ際
著者等紹介
アンガー,ハーロー・ジャイルズ[アンガー,ハーロージャイルズ] [Unger,Harlow Giles]
アメリカのジャーナリスト、歴史学者。イェール大学卒業、カリフォルニア州立大学大学院修了。長年、『ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン』や『(ロンドン・)タイムズ』など大手メディアの海外特派員を務めた
森本奈理[モリモトナリ]
1976年奈良県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科欧米系文化研究専攻(アメリカ文学)博士課程単位取得退学。文教大学文学部英米語英米文学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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