出版社内容情報
権威主義をもしのぐ、弱肉強食のためのロジック。
〈プーチンの「ロシア再構築」、そして習近平の「中国の夢」などはネーション・ステートの利益を貪り、それらにつづく大国のインド、日本、トルコおよび西欧各国も程度の違いはあるものの、それぞれの叢林〔弱肉強食のジャングル〕の道に回帰しつつある。〉(本書「第七章 新全体主義、新冷戦、新たなる叢林──二十一世紀の中国と世界」より)
専制独裁国家によって世界は紛糾することはなはだしいが、紅い帝国=習近平統治下の中国もそのうちのひとつだ。そしてそこに隠されているものとは、権威主義をもしのぐ、弱肉強食のためのロジックだ。
本書は「紅い帝国」の台頭に警鐘を鳴らし、南シナ海問題、強圧的な外交、中国的な特色に満ちた政治経済、新全体主義、新冷戦、新たなる叢林(=ジャングル、弱肉強食)の時代について縦横無尽に切りこむ。著者の意図は、中国を民主国家に翻すことにほかならない。
中国の「新全体主義」は世界にいかなる影響を及ぼすのか?
『新全体主義の思想史──コロンビア大学現代中国講義』の著者による、待望の新刊。米国、ロシア、東アジアを展望した、新冷戦時代の国際政治経済論。
内容説明
権威主義をもしのぐ、弱肉強食のためのロジック。中国の「新全体主義」は、世界にいかなる影響を及ぼすのか?米国、ロシア、東アジアを展望した、新冷戦時代の国際政治経済論。
目次
日本版序 紅い帝国の研究にともなう思考の変遷
台湾版序 警鐘は鳴っているが、まだ遅くない
第1章 紅い帝国の台頭か―中共第十八期党大会から第十八期三中全会まで
第2章 中国、再び危機に―明鏡中国研究院におけるいく度かの発言
第3章 南シナ海問題の争点はどこにあるのか
第4章 近年の中国外交の動向をいかに評価するか―アンドリュー・J.ネイサン教授との対話
第5章 叢林時代への回帰?―トランプ大統領当選後、世界の構造が変化する可能性
第6章 紅い帝国の政治経済学―中国経済の将来
第7章 新全体主義、新冷戦、新たなる叢林―二十一世紀の中国と世界
著者等紹介
張博樹[チョウハクジュ]
1955年北京生まれ。中国人民大学経済学部、中国社会科学院大学院(哲学専攻)を経て中国社会科学院哲学研究所勤務。哲学博士。六四・天安門事件に遭遇し、以後、中国批判理論の構築に邁進する。2010年に渡米。現在、コロンビア大学客員教授
中村達雄[ナカムラタツオ]
1954年生まれ。横浜市立大学大学院国際文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(学術)。比較文化、東アジア近現代史専攻。専修大学兼任講師、明治大学現代中国研究所事務局員
及川淳子[オイカワジュンコ]
東京都生まれ。日本大学大学院総合社会情報研究科博士後期課程修了。博士(総合社会文化)。中央大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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