出版社内容情報
美しい山の麓で暮らしていたはずの家族が、せずにすめばありがたいことに曝されつつ、ポスト3・11の愛を紡ぐ! 表題作ほか2篇。第63回岸田國士戯曲賞受賞作。
内容説明
プラトニック&アレゴリックな独白的文体に、選考委員も震撼!純粋劇作家・松原俊太郎のデビュー作品集。第63回岸田國士戯曲賞受賞作品。
著者等紹介
松原俊太郎[マツバラシュンタロウ]
1988年5月2日生。熊本県出身。神戸大学経済学部卒業。劇作家。主要作品『みちゆき』(第15回AAF戯曲賞大賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
13
東日本大震災を二つの山として様々なものを象徴させているお芝居。あの時あの場所にいた人々の感情が溢れるほどのセリフで羅列されており、正直読むのが大変で苦手なタイプの戯曲だった。とにかくあまりに膨大な量のセリフに「これどう演じたんだろう」の前に「覚えるだけでも大変だったろうなー」とまず思ってしまった。結局「山山」ってなんだろう、なんだったんだろう…答えなんかないのかな。というか私この戯曲をこれっぽちも理解できてない感じがする…。2019/07/23
kentaro mori
4
超ベケット。今、これだけの批評性のある戯曲を書ける人がどれだけいるだろうか。そして同封の第六十三回岸田國士戯曲賞選評も面白い。一つの転換点となる作品だろう。⚫️おやおや、わたしたちの家が壊れていく。⚫️ああ、何もかも忘れてしまえば平和になる。⚫️あの日は突然またやってくる。⚫️街のニルヴァーナでヨガでもやってろよ。2019/05/13
やまねっと
3
久しぶりに関西から岸田國士戯曲賞の受賞者が出た。特別面白いとは思わなかったけど、舞台でぜひ観てみたい。アンダースローとかで再演やってもらえないだろうか。想像力が追いつかない。でも、二つ戯曲が載ってるのだが、両方とも面白い。それなりに。流石戯曲賞取っているだけある。あくまで戯曲としてという注釈はつくが。2020/07/12
fu
1
装丁が驚くほど良い。 演劇としてどう演出されるのだろう。とても見てみたい。2020/04/09
TOMYTOMY
1
詩のように呟かれる言葉。全くもって荒唐無稽、しかし批評性がある。混乱を及ぼしながら、しかし詩のような広い理解と面白さが生まれてくる。 果たして家族ではない家族、私たちも今を疑う。2019/06/09