内容説明
祭囃子が響くなか、男たちは神様をかつぎ、女たちは家系を絶やさぬ方法について言葉を闘わせる―。日本という国家を逆照射するホームドラマ。第53回岸田國士戯曲賞受賞作品。
著者等紹介
蓬莱竜太[ホウライリュウタ]
1976年兵庫県生まれ。石川県立羽咋工業高等学校(デザイン科)卒業。モダンスイマーズ(劇作家・演出家)。『まほろば』で、第53回岸田國士戯曲賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りえこ
11
様々な年代の女性の話。家族とか、それぞれの年齢で向き合う問題が描かれている。短い台詞で明瞭にわかるので、読みやすいし想像しやすい。2013/05/09
ふう
4
モダンスイマーズ蓬莱竜太の第53回岸田國士戯曲賞受賞作。女だらけの水泳大会ならぬ、女だらけの言葉のボクシング?じゃなくて…ラグビー…かなあ。「子供」やら「閉経」やらのボールを投げ合い奪い合うけど、まったく前に進まず誰もトライしないままあっけなくノーサイド。なんでこんなに大騒ぎしてるんだろう、これで大団円なのかねえと思えてしまう展開。うーんなんだか。それに男たちの不在があまり効果をあげてないような印象。共感するには若すぎるのか歳を取り過ぎたのか…。2016/06/01
yukiko
2
面白かった。「逆照射する」と帯に書かれていた意味が、だんだんわかってくる。登場人物達の抱えている事情とはあまり関係ないふうに、ある因子が掘り下げられないままずっと漂っている。それが、不在・無責任というぼんやりした倦怠と、巨大な暴力による苦痛を繋げているような印象も受けて緊張した。でもラストでポンと落ちをつけられて、心地いいような不思議な気の抜け方があった2010/02/17
ほたる
1
あとがきにある「言葉での闘い」がまさにと言った感じ。短くたんたんと続く会話はどこか滑稽でいて家族や命について考えさせられる。2014/06/01
たっつぁん
1
先日、新国立劇場での再演を観劇し、面白かったので戯曲も読んでみました。戯曲を読んでみると、観劇した時に汲み取りきれなかった細かい部分読むことが出来、作品の完成度の高さを実感しました。この作品は、色々な部分で限定(女性のみ等)されていながら濃厚だなと、もしろその濃厚さのために限定しているのかなと思いました。2012/05/12
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