出版社内容情報
動物と植物の分岐に先立つとされるエラン・ヴィタル(いのちの躍動)とは何か? 本能と知性の根源をさぐる哲学的生命論。
【著者紹介】
1859~1941年。フランスの哲学者。28年にノーベル文学賞受賞。
目次
第1章 生命活動の進化について―機械論と目的論
第2章 生命進化の発散的方向性―無気力、知性、本能
第3章 生命活動の指し示すものについて―自然の秩序と知性の形式
第4章 思考の映画的メカニズムと機械論者たちの錯誤 さまざまな哲学体系の歴史瞥見 真実の生成と偽りの進化論
著者等紹介
ベルクソン,アンリ[ベルクソン,アンリ][Bergson,Henri]
パリ生まれのフランス人哲学者。高等師範学校卒業後、リセ教授を経てコレージュ・ド・フランス教授。1914年にアカデミー・フランセーズ会員となり、28年にノーベル文学賞受賞
竹内信夫[タケウチノブオ]
1945年、大阪府生まれ。1963年に香川県立高松高校卒業、東京大学入学。1970年に東京大学卒業、同大学院進学。1973~76年、パリ第4大学(ソルボンヌ)留学。明治学院大学文学部、東京工業大学工学部、東京大学教養学部・同大学院総合文化研究科で教師を務める。2007年に定年退職。東京大学名誉教授。主要訳書に、アンリ・メショニック『詩学批判―詩の認識のために』、モーリス・パンゲ『自死の日本史』(渋沢・クローデル賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinka
2
進化についての本だと思ってたんだが、それ以前に生物とは、生物を生物たらしめるものは何か、を考察する本だと思う。生物はあれとこれを組み合わせてほい、っと出来るものじゃないってのは、科学の目で見ても反論できないところだし(少なくとも今は)、哲学の仕事ってスゲーな。読んでいて、内なる「いのちの躍動」のスクラップアンドビルドや、生物の分散と相互補完の関係、に圧倒されると共に、西洋的イデア世界とは違う、東洋的な流転の中にいるような気持ちになった。これは訳者が仏教研究もされている事とも関係あるのかも知れん。2015/08/19