出版社内容情報
2013年、米主要紙誌の特派員として十年に及ぶ海外生活から帰国した著者は、熟知していたはずの祖国アメリカが大きく変貌してしまったことに驚愕した。自分が浦島太郎になったかのような感覚を覚えるほどに、そこかしこで変化が起きていたのだ。その変化をもたらしたものは何なのか。トランプを大統領にまで押し上げたうねりの源はどこにあるのか。混沌の中から何か新しいものが生み出されようとしているのか。それを突き止めようと取材を開始する。
著者は、自分の人生で大きな関わりを持つ三つの場所(コネティカット州グリニッジ、ウェストヴァージニア州クラークスバーグ、イリノイ州シカゴ)を再訪する。取材対象は医師からヘッジファンド業界に転身するもインサイダー取引で犯罪者になったかつてのエリートに始まり、兵役を終えて帰国するも精神を病み殺人を犯してしまう元海兵隊員まで多岐に及んだ。彼らの人生の軌跡をたどることで、アメリカに「分断」や「怒り」をもたらした生々しい現実が浮き彫りになる。
「トランプ再来」に揺れるアメリカを理解するうえで重要な視座を提供する傑作ノンフィクション。
内容説明
ピュリツァー賞受賞ジャーナリストによる傑作ノンフィクション!コネチカット州グリニッジ、ウィスコンシン州クラークスバーグ、イリノイ州シカゴ―。3つの街に暮らす人びとのライフヒストリーと政治の中枢ワシントンでの出来事を交互に織り交ぜ、社会に断絶をもたらした淵源を探る。『ニューヨーク・タイムズ』ベストセラー。
目次
1 ゴールデン・トライアングル
2 遺憾の意
3 丘の上の宝石
4 泥の街
5 みんながやっていることだから(その1)
6 みんながやっていることだから(その2)
7 みなさまがた
8 ヤク漬け
9 購買力
10 タマなし野郎
著者等紹介
オズノス,エヴァン[オズノス,エヴァン] [Osnos,Evan]
1976年、英国ロンドン生まれ。ハーヴァード大学卒業。『シカゴ・トリビューン』の記者・特派員として9.11同時多発テロやイラク戦争を取材したのち北京支局長。この間、2008年にピュリツァー賞(調査報道部門)を受賞したシリーズに貢献。2008~13年、雑誌『ニューヨーカー』の中国特派員を務めた。現在はワシントンDCを拠点に『ニューヨーカー』のスタッフライターとして優れたレポートを発信し続けるかたわら、ブルッキングス研究所のシニアフェローも務めている
笠井亮平[カサイリョウヘイ]
1976年、愛知県生まれ。岐阜女子大学南アジア研究センター特別客員准教授。中央大学総合政策学部卒業後、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科で修士号取得。在中国、在インド、在パキスタンの日本大使館で外務省専門調査員として勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。