ボラーニョ・コレクション<br> 第三帝国

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ボラーニョ・コレクション
第三帝国

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  • サイズ B6判/ページ数 404p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560092675
  • NDC分類 963
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ドイツ人青年が恋人とカタルーニャの浜辺で過ごす奇妙な休暇。『野生の探偵たち』『2666』に連なる、没後に発見された異色の長篇遺稿から発見された初期の重要作
 ウド・ベルガーはウォーゲーム(戦争ゲーム)のドイツ・チャンピオン。恋人のインゲボルクと初めてのバカンスを共に過ごすため、カタルーニャの海岸地方を訪れた。ここで第二次世界大戦をモデルにしたゲーム〈第三帝国〉の新たな戦法についての記事を書こうとしている。
 二人は近くのホテルに滞在中のドイツ人カップル、チャーリー(カール)とハンナと出会い、〈狼〉、〈子羊〉、〈火傷〉という地元の若者と知り合う。記事が捗らないまま日々が過ぎ、ある日、サーフィンの最中にチャーリーが行方不明になる。夏が終わりに近づくがチャーリーはいっこうに見つからず、ハンナ、そしてインゲボルクはドイツに帰国する。ウドはなおもホテルに留まり、ホテルのオーナー夫人、フラウ・エルゼに言い寄りながら、〈火傷〉を相手に〈第三帝国〉をプレイし続ける。ウド率いるドイツ軍の敗色が濃厚になるなか、現実を侵食しつつあるゲームの勝敗の行方は……。
 1989年に書かれた本書は、作家の遺稿の中から発見され、2010年に刊行された。日記風の体裁や、現実と虚構の中で得体の知れない暴力や恐怖に追い詰められていく点で、後年の『野生の探偵たち』や『2666』の要素を先取りする初期の重要作。

ロベルト・ボラーニョ[ボラーニョ]
1953年、チリのサンティアゴに生まれる。1968年、一家でメキシコに移住。1973年、チリに一時帰国し、ピノチェトによる軍事クーデターに遭遇したとされる。翌74年、メキシコへ戻る。その後、エルサルバドル、フランス、スペインなどを放浪。77年以降、およそ四半世紀にわたってスペインに居を定める。1984年に小説家としてデビュー。1996年、『アメリカ大陸のナチ文学』と『はるかな星』を刊行。1997年に刊行された第一短篇集『通話』でサンティアゴ市文学賞を受賞。その後、長篇『野生の探偵たち』、短篇集『売女の人殺し』など、精力的に作品を発表するが、2003年、50歳の若さで死去。2004年、遺作『2666』(いずれも白水社刊)が刊行され、バルセロナ市賞、サランボー賞などを受賞。ボラーニョ文学の集大成として高い評価を受け、10 以上の言語に翻訳された。『第三帝国』は1989年の作とされ、作家の没後に発見された異色の長篇である。

柳原 孝敦[ヤナギハラ タカアツ]
1963年鹿児島県名瀬市(現・奄美市)生まれ。東京外国語大学大学院博士後期課程満期退学。博士(文学)。東京大学大学院人文社会系研究科准教授。著書に、『ラテンアメリカ主義のレトリック』(エディマン/新宿書房)、『劇場を世界に――外国語劇の歴史と挑戦』共編著(エディマン/新宿書房)、『映画に学ぶスペイン語』(東洋書店)、訳書にアレホ・カルペンティエール『春の祭典』(国書刊行会)、アルフォンソ・レイェス『アナワクの眺め』二言語版(ヌエボレオン州立大学)、フィデル・カストロ『チェ・ゲバラの記憶』監訳(トランスワールドジャパン)、ロベルト・ボラーニョ『野生の探偵たち』共訳、カルロス・バルマセダ『ブエノスアイレス食堂』(以上、白水社)、セサル・アイラ『わたしの物語』(松籟社)、『文学会議』(新潮社)、フアン・ガブリエル・バスケス『ものが落ちる音』(松籟社)など

内容説明

遺稿から発見された異色の初期長篇。戦争ゲーム“第三帝国”のドイツ・チャンピオンがカタルーニャの海岸で過ごす奇妙な休暇。現実と虚構の狭間で、次第に得体の知れない恐怖にとらわれ、追い詰められていく…

著者等紹介

ボラーニョ,ロベルト[ボラーニョ,ロベルト] [Bola〓o,Roberto]
1953年、チリのサンティアゴに生まれる。1968年、一家でメキシコに移住。1973年、チリに一時帰国し、ピノチェトによる軍事クーデターに遭遇したとされる。翌74年、メキシコへ戻る。その後、エルサルバドル、フランス、スペインなどを放浪。77年以降、およそ四半世紀にわたってスペインに居を定める。1984年に小説家としてデビュー。1997年に刊行された第一短篇集『通話』でサンティアゴ市文学賞を受賞。その後、精力的に作品を発表するが、2003年、50歳の若さで死去

柳原孝敦[ヤナギハラタカアツ]
1963年鹿児島県名瀬市(現・奄美市)生まれ。東京外国語大学大学院博士後期課程満期退学。博士(文学)。東京大学大学院人文社会系研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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みねたか@

30
ある若者が恋人とスペインの海辺の町を訪れバカンスを過ごす。平板なストーリーもボラーニョが描けば謎めいた人々がうごめく不気味な世界が立ち現れる。陽気さと破滅的な凶暴さが同居するバカンス客チャーリー,美しいがどこか虚無的なホテルの女主人フラウ・エルザ。そして《火傷》,その名の通り全身を醜い火傷に覆われ夜は海岸に突き立てられたボードの群の間で眠る男。バカンス客が去った後,幾夜にもわたり続く《火傷》とのボードゲーム(第三帝国)の戦いとフラウ・エルザとの逢瀬。ひたひたと迫りくる不穏な気配がたまらない。2020/07/31

ぽち

16
解説によると他の作品同様、語り手は(若き日の)作家自身が投影されているということなのだけれども、これまで読んできた作品と比べあくまで私の私見だけれども、それを感じさせることの薄い、ワンセンテンスが短く、凝った言い回しや比喩の少ないシンプルな文章、それなのにリリカルで、ロードノヴェルの趣もある前半、次第に密閉感に苛まれていく後半へと進むにつれて幻想的、いや白日夢、それも悪夢、に犯されていくような流動に溺れてしまう。2016/10/05

kazi

13
図書館本。年末年始に読む本を探してたんだが、パッと目についたタイトルに惹かれてトライしてみた。ボラーニョは超大作2666しか読んだ事ないが、この作品も良かった。カタルーニャのリゾート地に来たドイツ人のカップルが地元の人たちとの交流、事件を経て、やがて別々に帰国する。展開が少ない静かなストーリーの中に死の匂いと常に何かが起こりそうな緊張感が続く不穏な小説。2666でも感じた事だが、ボラーニョの文体は読みやすく、かつ流麗な感じで素晴らしい。ファンになった。他のボラーニョ作品も読んでみます。2019/12/30

vaudou

12
恋人同伴で訪れたスペインのリゾート地で起こる喜悲劇が、散文的なリズムで語られるボラーニョ流、夏の終わり。燦々と輝く太陽に背を向け、ボードゲームの記事を書くためウダウダと呻吟するウド。時折ビーチに出かけては<狼><仔羊>ら風変わりな現地人とツルむウド。オーナー夫人フラウ・エルゼに魅せられていくウド。そして<火傷>を誘い「第三帝国」に興じるウド。どこへ行こうと異邦人であることを体現した主人公は、異質なもの故かの地の周縁を彷徨うのみだ。初期の長編の時点で、すでにして死の気配が濃いことも含め示唆的。2017/02/24

秋良

10
あらすじを書くとそれだけで終わってしまいそうで、でも感想を書くのはとても難しくて、読み終えて登録するのが面倒くさく感じてしまった。一つ言えるのは、スペインでのバカンスを簡潔な文体でこれほど憂鬱に書けるのはボラーニョくらいだと言うこと。面白いかよく分からないのに他の作品も読みたくなる。印象に残るのはバラバラのオブジェクト。ビーチ。ゲーム。火傷。ボート。ホテル。フラウ・エルゼ。2025/01/03

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