出版社内容情報
王妃マリー=アントワネットの忠臣として、ナポレオン政権下では女子教育の第一人者として──教養こそが彼女の武器だった。教養こそが彼女の武器だった
マリー=アントワネット関連の書籍や映画には必ず登場する王妃付首席侍女カンパン夫人。冷徹・陰険な女性としてステレオタイプに描かれがちだが、本当にそうなのだろうか。本書はカンパン夫人の大著『回想録』および書簡から歴史の側面を丁寧に拾い上げ、読みやすく綴られた評伝である。
カンパン夫人ことアンリエット・ジュネは、教育熱心な父の導きで語学と教養を身につけ、ルイ15世の娘たちの朗読係として宮廷に入る。その後、王太子として嫁いできたマリー=アントワネットの侍女となり、フランス革命まで約20年間仕えた。革命によって、王家の周囲にいた人々は処刑あるいは亡命を余儀なくされる。かろうじて危機を乗り越えたアンリエットだったが、生活は困窮──財産は自らの教養しかなかった。女子のための教育施設を設立することを思い立ち、パリ近郊に女子寄宿学校を開校。ナポレオン一族の女性たちがこの学校で学び、なかでもオルタンス・ボアルネ(ナポレオンの妻ジョゼフィーヌの連れ子)は師の薫陶を受けて、のちにオランダ王妃となる。女子教育への関心がきわめて低かった19世紀前半、自らの教養を武器に生き抜いていく姿は実にたくましい。
イネス・ド・ケルタンギ[ケルタンギ]
歴史家、小説家。リヨンに生まれ、7歳までイギリスで育つ。史料や書簡を丹念に拾い上げながら歴史を再構成する著作を得意とし、主な評伝にMadame Vig?e Le Brun(18世紀フランスの女性画家ヴィジェ・ルブラン、2000年)、La reine m?re d’Angleterre(英国エリザベス2世の母、2000年)、L?onora Galiga?(マリー・ド・メディシスの侍女レオノーラ・ガリガイ、2005年)、小説にJ’ai douze ans(2011年)、L’eau glac?e de la rivi?re(2012年)、Les h?ritiers de Kervalon(2013年)がある。近年はヴェルサイユ宮殿の発行する歴史雑誌にも寄稿、主に18世紀女性について扱っている。本書『カンパン夫人』は初の邦訳。
ダコスタ 吉村 花子[ダコスタ ヨシムラ ハナコ]
翻訳家。明治学院大学文学部フランス文学科卒業。リモージュ大学歴史学DEA修了。専門は十八世紀フランス旧体制(アンシャン・レジーム)。現在、ヴェルサイユ在住。翻訳書に『フランスの美しい鳥の絵図鑑』(グラフィック社)
内容説明
王妃マリー=アントワネットの忠臣として、ナポレオン政権下では女子教育の第一人者として、教養こそが彼女の武器だった。
目次
第1章 幼少時代から宮廷入りまで(生い立ち;妹ジュリー ほか)
第2章 王妃付き侍女(王妃の失態;宮廷生活 ほか)
第3章 王妃付き首席侍女(王妃の腹心として;首飾り事件 ほか)
第4章 サン=ジェルマン学院開校(恐怖政治;サン=ジェルマン学院の幕開け ほか)
第5章 レジオン・ドヌール教育学院エクアン校校長(皇帝の計画;レジオン・ドヌール教育学院 ほか)
著者等紹介
ド・ケルタンギ,イネス[ドケルタンギ,イネス] [de Kertanguy,In`es]
歴史家、小説家。リヨンに生まれ、7歳までイギリスで育つ。史料や書簡を丹念に拾い上げながら歴史を再構成する著作を得意とし、近年はヴェルサイユ宮殿の発行する歴史雑誌にも寄稿、主に18世紀女性について扱っている
ダコスタ吉村花子[ダコスタヨシムラハナコ]
翻訳家。明治学院大学文学部フランス文学科卒業。リモージュ大学歴史学DEA修了。専門は十八世紀フランス旧体制(アンシャン・レジーム)。現在、ヴェルサイユ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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