カンパン夫人―フランス革命を生き抜いた首席侍女

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  • サイズ B6判/ページ数 327,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560092590
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0022

出版社内容情報

王妃マリー=アントワネットの忠臣として、ナポレオン政権下では女子教育の第一人者として──教養こそが彼女の武器だった。教養こそが彼女の武器だった
 マリー=アントワネット関連の書籍や映画には必ず登場する王妃付首席侍女カンパン夫人。冷徹・陰険な女性としてステレオタイプに描かれがちだが、本当にそうなのだろうか。本書はカンパン夫人の大著『回想録』および書簡から歴史の側面を丁寧に拾い上げ、読みやすく綴られた評伝である。
 カンパン夫人ことアンリエット・ジュネは、教育熱心な父の導きで語学と教養を身につけ、ルイ15世の娘たちの朗読係として宮廷に入る。その後、王太子として嫁いできたマリー=アントワネットの侍女となり、フランス革命まで約20年間仕えた。革命によって、王家の周囲にいた人々は処刑あるいは亡命を余儀なくされる。かろうじて危機を乗り越えたアンリエットだったが、生活は困窮──財産は自らの教養しかなかった。女子のための教育施設を設立することを思い立ち、パリ近郊に女子寄宿学校を開校。ナポレオン一族の女性たちがこの学校で学び、なかでもオルタンス・ボアルネ(ナポレオンの妻ジョゼフィーヌの連れ子)は師の薫陶を受けて、のちにオランダ王妃となる。女子教育への関心がきわめて低かった19世紀前半、自らの教養を武器に生き抜いていく姿は実にたくましい。

イネス・ド・ケルタンギ[ケルタンギ]
歴史家、小説家。リヨンに生まれ、7歳までイギリスで育つ。史料や書簡を丹念に拾い上げながら歴史を再構成する著作を得意とし、主な評伝にMadame Vig?e Le Brun(18世紀フランスの女性画家ヴィジェ・ルブラン、2000年)、La reine m?re d’Angleterre(英国エリザベス2世の母、2000年)、L?onora Galiga?(マリー・ド・メディシスの侍女レオノーラ・ガリガイ、2005年)、小説にJ’ai douze ans(2011年)、L’eau glac?e de la rivi?re(2012年)、Les h?ritiers de Kervalon(2013年)がある。近年はヴェルサイユ宮殿の発行する歴史雑誌にも寄稿、主に18世紀女性について扱っている。本書『カンパン夫人』は初の邦訳。

ダコスタ 吉村 花子[ダコスタ ヨシムラ ハナコ]
翻訳家。明治学院大学文学部フランス文学科卒業。リモージュ大学歴史学DEA修了。専門は十八世紀フランス旧体制(アンシャン・レジーム)。現在、ヴェルサイユ在住。翻訳書に『フランスの美しい鳥の絵図鑑』(グラフィック社)

内容説明

王妃マリー=アントワネットの忠臣として、ナポレオン政権下では女子教育の第一人者として、教養こそが彼女の武器だった。

目次

第1章 幼少時代から宮廷入りまで(生い立ち;妹ジュリー ほか)
第2章 王妃付き侍女(王妃の失態;宮廷生活 ほか)
第3章 王妃付き首席侍女(王妃の腹心として;首飾り事件 ほか)
第4章 サン=ジェルマン学院開校(恐怖政治;サン=ジェルマン学院の幕開け ほか)
第5章 レジオン・ドヌール教育学院エクアン校校長(皇帝の計画;レジオン・ドヌール教育学院 ほか)

著者等紹介

ド・ケルタンギ,イネス[ドケルタンギ,イネス] [de Kertanguy,In`es]
歴史家、小説家。リヨンに生まれ、7歳までイギリスで育つ。史料や書簡を丹念に拾い上げながら歴史を再構成する著作を得意とし、近年はヴェルサイユ宮殿の発行する歴史雑誌にも寄稿、主に18世紀女性について扱っている

ダコスタ吉村花子[ダコスタヨシムラハナコ]
翻訳家。明治学院大学文学部フランス文学科卒業。リモージュ大学歴史学DEA修了。専門は十八世紀フランス旧体制(アンシャン・レジーム)。現在、ヴェルサイユ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yumiko

73
知らない人は知らないけれど知ってる人は知っている、その名はカンパン夫人。ルイ15世の御世に王家に仕え、かのアントワネットの王妃付き首席侍女にまで上りつめ、革命後も最後まで王妃の側を離れず、その後の一生は教育のために捧げた。学問は身を助くを体現した稀なる女性だ。回想録として残された彼女の言葉は、あの時代を知るための貴重な証言。皇女から王太子妃、王妃となり、妻であり、母であり、一人の女性であった生身のアントワネットの姿には、今までの印象がガラリと変わるような衝撃を受けた。アントワネットファンは必読!2017/01/11

星落秋風五丈原

36
マリ―・アントワネットが登場する映画には必ずといって出てくる脇役の一人。大抵は、勉強や規則が嫌いなアントワネットを口うるさく叱責する姿、或いは困惑する姿が描かれ、王妃の愚かさを際立たせる存在。だが彼女は王妃を嫌ってはいなかった。むしろ革命後次々と人々が権力者に阿る中で、王妃への忠誠を忘れずその事で次の為政者ナポレオンに激賞されている。時代の趨勢を見極めるのが男性でも難しい時代に、自らの教養を武器に生き抜いていく姿は実に逞しく心強い。日本ならば間違いなく朝の連続テレビドラマのヒロインになれる。 2016/10/04

marumo

34
アントワネット妃の首席侍女、ナポレオンの信任厚い女子教育のパイオニア。教養高く誠実、王家に最後まで忠義を尽くしたカンパン夫人。彼女の目を通した宮廷絵巻は圧巻、驚きの連続。国王夫妻にプライバシーなんてなかったとは知っていたけどここまでとは!これじゃ往来で暮らしてるのと一緒。私室に入る直前まで野次馬女に罵倒され泣き崩れる王妃。度肝を抜かれたのは7時間に及ぶ出産が衆人環視の、それも家具の上によじ上って見物する人間がいるほどの中で行われていたこと。正真正銘の見世物・・。アントワネット展の前に読みたかった。痛恨。2017/02/14

花林糖

22
(図書館本)読みたかったのを読友さんの感想で思い出す。アントワネットの王妃付き首席侍女の本が出版されるとは有り難い。カンパン夫人は記憶にはチラッとある程度でしたが、革命を生き抜いてしかもナポレオン時代までとは!とても興味深く面白く読めました。2017/02/26

e

19
ベルゆりにも出てきたカンパン夫人の伝記。って彼女見たマリー・アントワネットやナポレオン、ジョゼフィーヌ。彼女が革命をどう乗り切ったか、教育の第一人者になっていく様などカンパン夫人の話を聞いているかのようにスラスラと読めました。マリーが街にいた子どもを育てた話など初めて知るエピソードもありとても楽しめる1冊。マリーやナポレオンに興味がある人にはおすすめです。2019/11/19

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