「イスラム国」の内部へ―悪夢の10日間

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  • サイズ B6判/ページ数 323p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784560092477
  • NDC分類 316.4
  • Cコード C0036

出版社内容情報

西側ジャーナリストとして初めてIS領内を取材。戦闘員や警官、医師へのインタビュー、民衆の生活の記録など第一級のルポ。写真多数本当に「国」なのか
 IS、「イスラム国」はなぜ生まれ、どうして正視に耐えない殺戮を繰り返すのか。
 ヨーロッパ出身者がISに魅力を感じ、戦闘員となる経緯について、著者はかれらと何十時間にわたる対話を続け、その母親とも面会するなかで、戦闘員たちの心の内面を浮かび上がらせていく。その後、カリフの許可を得て西側ジャーナリストとして初めてIS領内に滞在し、そこに暮らす戦闘員や警官、医師や裁判官、一般の人々に同じ問いを繰り返す。この「国」が本当にイスラームなのか。アンチ・イスラームではないのか。
 一方で、西欧への批判的な眼差しも忘れない。イラク戦争の落とし子であるISに比べ、西側諸国の攻撃は犠牲者の数で言えば、それ以上に残忍なテロリズムと認めざるを得ない。ISが「イスラーム教のテロリスト」ならば、ブッシュ、チェイニー、ラムズフェルド、ブレアたちは「キリスト教のテロリスト」なのか。
 外側と内側を知る著者の言葉は重く響きわたる。「新たなテロリズムを生み出さずにアラブのテロリストと闘うことができるのは、アラブの人々だけである」
 原著はドイツで刊行以来ベストセラー。IS領内の写真を多数掲載。

ユルゲン・トーデンヘーファー[トーデンヘーファー]
元裁判官。その後アメリカの同時多発テロ事件の発生を機にジャーナリストとして活躍するに至り、数々のベストセラーを著す。ベストセラーとなった自著の出版収入を、アフガニスタン、イラク、シリア、コンゴ、そしてエルサレムにおける戦争で犠牲になった子供たちに寄付。邦訳は今回がはじめて。

津村 正樹[ツムラ マサキ]
元九州大学教授。訳書としてCh.ハイン『ホルンの最期』ほか。

カスヤン、アンドレアス[カスヤン アンドレアス]
九州大学教授

内容説明

西側ジャーナリストとして初めてIS領内を取材。戦闘員や警官、医師へのインタビュー、民衆の生活の記録など第一級のルポ。ISの内側とIS戦闘員の内面を描き出す。写真多数。

目次

第1章 「イスラム国」の誕生
第2章 西側諸国の思惑
第3章 真実を求めて
第4章 「イスラム国」前線への道
第5章 テロとのチャット
第6章 ジハーディストの母親
第7章 旅の具体化
第8章 「イスラム国」への旅―ある悪夢のスケッチ
第9章 「イスラム国」のカリフと外国人戦闘員への公開書簡
第10章 ジハーディ・ジョンに関するあとがき

著者等紹介

トーデンヘーファー,ユルゲン[トーデンヘーファー,ユルゲン] [Todenh¨ofer,J¨urgen]
元裁判官。その後アメリカの同時多発テロ事件の発生を機にジャーナリストとして活躍するに至り、数々のベストセラーを著す。ベストセラーとなった自著の出版収入を、アフガニスタン、イラク、シリア、コンゴ、エルサレムにおける戦争で犠牲になった子供たちに寄付

津村正樹[ツムラマサキ] [Kasjan,Andreas]
1950年生まれ。1978年、京都大学大学院修士課程修了。現在、九州大学名誉教授

カスヤン,アンドレアス[カスヤン,アンドレアス]
1956年生まれ。1986年、フランクフルト市ゲーテ大学文学修士試験合格(専攻:漢学、副専攻:日本学およびドイツ学)。1986年来日。現在、九州大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

宇宙猫

30
★★ 読んでいて著者に反感を感じた。タイトルのイスラム国10日間のルポは1/3程に過ぎず、他の部分は著者の思う方向へ誘導されているように感じたから。でも、彼の思うところと自分の思うところが同じなのよね。単に言い方が気に食わないとか?良く分からない。ルポは緊迫した感じが伝わってきて、読んでるこっちまで緊張してくる。ジャーナリストって、つくづく無謀な人達だと思う。2016/09/19

若布酒まちゃひこ/びんた

29
「ISの人質」の後に読んだのがよかった。本としての構成は正直かなり良くない感じはあるけれど、ことばを重ねたところでどうにもならない問題であることが、読み進めるにつれて顕在化してくるようだった。けっきょく宗教に限らず「何を信じるか」というものは、そもそも議論が成り立つ話ではない。2017/01/12

金吾

20
ジャーナリストのイスラム国滞在というかなりセンセーショナルな話です。インタビューも含めかなり興味深い内容がありました。しかしインタビューを読みながら、噛み合わない部分が多いことよりイスラム国の人の信念はなかなか伝わらないのだろうなと感じました。2022/02/01

BLACK無糖好き

14
色々な思いが込み上げてきて、冷静にレヴューをまとめる事は難しい。西側ジャーナリストとして初めてIS領内で10日間の取材を敢行した著者の深い情念に完全に心奪われてしまった。元裁判官としてのバックボーン、深淵で強固な歴史観、テロリスト集団と対峙しても怯まない強靭さ等に著者の姿勢が貫かれている。ジハーディ・ジョンに関する驚愕のエンディングは圧巻! 著者の出身地ドイツで売れまくった本書の翻訳版刊行にあたり、"白水社ここにあり"という出版社の矜持を見せつけてくれた。もう何から何まで興奮の一冊。 2016/08/15

Lila Eule

6
著者に一理。西側諸国の興隆が利他主義に基づいたことは皆無と。サディスティックな残酷さは今日も何一つ変わらずと。問題なのは、権力、金、名声で、その為には恥も外聞もなく宗教の威信も悪用し、その威信も同胞の生活もなげうつと。いかなるテロも許せないが、イラク戦争も国家による最大のテロ。「聖戦」を考え出したのは、もともと十字軍のキリスト教徒。兄弟宗教のムスリムとユダヤ人を虐殺、アフリカ、アジアの異民族を虐殺、20世紀には大戦で7千万人を死亡させ、人種迫害・虐殺も。キリスト教的政治家は異教を尊敬したことなかろうと。2016/09/02

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