内容説明
『シカゴ育ち』『僕はマゼランと旅した』の作家が立ち戻る原風景。待望の最新詩集。訳者によるエッセイ「京浜工業地帯のスチュアート・ダイベック」収録。
目次
1(風の街;自伝;風呂;活火山 ほか)
2(サイレン;電流;白鳥;七つのセンテンス ほか)
3(夕べの祈り;啓示;反‐回想録)
著者等紹介
ダイベック,スチュアート[ダイベック,スチュアート][Dybek,Stuart]
1942年、シカゴ生まれ。第一詩集Brass Knuckles。第一短篇集Childhood and Other Neighborhoods。現在、ふたたびシカゴに住み、ノースウェスタン大学で文学を教える
柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年生。東京大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミツ
19
寒くなってきたので。かの『シカゴ育ち』の著者による最新詩集……なのだが、いまいちピンとこず。多様な人種と言語、そして音楽が混在する都市の喧騒と、その片隅でひっそりと息吹く自然。マンホールの下の地下水脈を駆け巡る愛と、冬の夜の窓辺に積もる雪、そして夜鷹たち。風の街シカゴを舞台にしたモチーフや情景は変わらずだけれど、イメージ喚起に重きを置く詩よりもむしろ脈絡のある散文のほうが自分の好みではあった。そういう意味ではむしろ巻末収録の柴田元幸のエッセイ『京浜工業地帯のスチュアート・ダイベック』のほうが面白く読める。2015/11/02
29square
7
追憶、あるいは鎮魂歌。シャッター商店街を散策するような乾いた物悲しさ。 「そして消える時が来たら/君はただ どこかの 記憶を欠いた/目抜き通りを選んで 襟を立て/風に背を向ければ良かった/僕もあのとき目を閉じて/くるくる舞う葉の渦に足を踏み入れたのだった」 柴田氏の解説はこの冒頭の句の返歌だろうか。2021/07/21
Roy
7
★★★★☆ 記憶がモチーフだろうか?そこには幼少の頃の記憶、街の記憶、おばあさんの記憶、そして死が書かれていた。読みながら、ふと目の前が拓けてどうしようもない孤独を感じることもあった。「自伝」「風呂」「ジニーの地下室」「境界」「七つのセンテンス」「マハ」「三つの夜想曲」「啓示」「反-回想録」が好き。2008/12/27
ぱせり
4
淫らな声、腐ったゴミの匂い、騒音、暴力と血の味、薄暗くて汚い裏町が、この詩集のきっと主役だけれど、受け取るイメージは、なにか聖なる宝を芯に抱えた透明な夜の空気だ。作者の案内がなければ、この町を心地よいなんて感じることはなかっただろう。清濁まとめてこの町への作者の愛が好きなのだ。2023/07/04
コニコ@共楽
1
久々にダイベックの本を読みました。詩集はちょっと苦手かな。やっぱり小説の方が私には好みです。2011/10/07
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