ビルキス、あるいはシバの女王への旅

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  • サイズ A5判/ページ数 223p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560092125
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

内容説明

この小説は、画家ピエロ・デッラ・フランチェスカの大作『聖十字架伝説』をめぐって交錯する、二つの物語からなる。一方の主人公は、『聖十字架伝説』のなかに描きこまれたひとりの人物、シバの女王ビルキスであり、他方の主人公は、これを描くはずの画家ピエロだ。太陽の照りつける砂漠とオアシスの国と、薄暗く寒い冬のイタリアの田舎町。旧約聖書の世界とルネサンスの世界。場所も時代もかけ離れたそれぞれの物語が、交互に展開し、しだいに接近を見せ、最後は密にからみあう。2002年ウエスト賞受賞作。

著者等紹介

アルメル,アリエット[アルメル,アリエット][Armel,Aliette]
1984年より、マガジーヌ・リテレール誌で批評欄を担当。著書に、ミシェル・レリスの評伝やマルグリット・デュラスについてのエッセイがある。小説第一作である『ビルキス、あるいはシバの女王への旅』で、2002年ウエスト賞を受賞した後、Le Disparu de Salonique(テサロニキの失踪者)、Le Pianiste de Trieste(トリエステのピアニスト)を上梓している

北原ルミ[キタハラルミ]
1971年生まれ。2001年京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。フランス語フランス文学専攻。金城学院大学文学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

52
新約聖書に比べると旧約聖書の逸話は縁遠い。シバの女王も名前のみを知る存在だった。映画があったかなって印象だけ。画家の妻が語る物語が画家にインスピレーションを与え、物語の中の若き女王はいずれソロモンも超える成長を見せるだろう。ヤツガシラという鳥をネットで調べてみたら、とても可愛らしかった。画家が妻の面影を写した出産の聖母、お腹の大きいマリアってそういえば他にあったかな。物語が芸術を生み、芸術が物語を生む。女が男に導かれるようで、実は男を導く物語。2016/06/13

星落秋風五丈原

30
旧約聖書に彼女が登場する場面はごくわずかだ。イスラエルのソロモン王に会いに来て、彼の英知に感嘆する。一国の女王なのにソロモンのヨイショ要員のような扱いだ。白水社から出ている『真珠の首飾りの少女』『貴婦人と一角獣』と系統が似ており実在する作品が生まれるバックグラウンドについて描かれる。現在パート(ピエロ&シルヴィア)と過去パート(ビルキス)が並行して進み男と女、太陽が絶えず照りつける沙漠とオアシスVsピエロ達の住む寒く薄暗いイタリアの田舎町、ピエロを巡るモデルの愛人とシルヴィア等いくつもの対立図式が登場。2016/06/26

AR読書記録

6
そうねー。ちょっと、「ここで終わりか...」という気はする。特にビルキスのパートが。結局、大昔から今に至るまで変わらぬ、描き続けられる、男女のわかり合えなさにぐっと力入ってんな、と感じたところで、フェイドアウトしていきますんでね... 装幀含め綺麗な本なんですけどね、好きな人はとても好きな雰囲気じゃないかと思うんですけどね、ちょっとはまんなかったですねぇ。2016/07/14

帽子を編みます

4
これは、再読本。別な本に出ていた口絵から、読もうと思った本です。ピエロ・デッラ・フランチェスカとその妻シルヴィアの話、シルヴィアが語るシバの女王ビルキスの話が交互に続きます。とりとめもなく、すっきりした話ではないのですが、知識を求めた女性たち、子どもを求める気持ちなど、ゆったり思索する気分になりました。カバー絵、扉画のフラスコ画に心引かれます。特に出産の聖母は、いままでに見たことのない題材で作者が、この作品を書く動機になったのでは、と思わせるだけの力があります。2020/03/14

やぎ

2
大変面白く読んだ。画家ピエロ・デッラ・フランチェスカの男としての葛藤、賢い妻と妖艶な愛人との間で思い悩む様がしっかりとした文章で紡がれる。妻のシルビアによって語られる女王が大変魅力的に描かれている。彼女は多くの国の人に愛されているんだな。2018/11/15

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