出版社内容情報
SFからテクノトピアまで
未来論が流行している。背景には、危機と不確実性がある。一九七〇年代に流行した折には、資源危機と南北対立を受けていた。本書は、著者が二十五年にわたって「未来学」で発見した、さまざまな側面に光を当てる。
とりわけ、科学的な予測と根拠のない憶測の間に横たわる、未来をめぐって生じる葛藤に、フランクフルト学派の批判理論の観点から光を当てる。
未来は時間なのか場所なのか、あるいは、時間は円環なのか直線なのか。未来について人々が思考をめぐらせてきた三千年にわたる歴史は近代以降、マルサス的な終末論とテクノオプティミズムの両極端で宙ずりになっている。
こうした未来論の整理は、未来を論じる学問的素地がほとんどない日本ではより重要である。一九七〇年前後、小松左京、梅棹忠夫らが未来学の創設を目指し、機運が高まった時期もあったが、その後日の目を見ず、現在に至っている。
預言者からSFまで、ルネサンス・啓蒙思想からテクノトピアまで、人類が夢見た未来を概観するはじめての入門書。オックスフォード大学出版局の入門シリーズ(VSI)の待望の翻訳。
内容説明
預言者からSFまで、ルネサンス・啓蒙思想からテクノトピアまで、人類が夢見た未来を批判理論の観点から概観する、はじめての入門書。
目次
第一章 三千年の未来
第二章 増殖する未来
第三章 進化する未来学の領域
第四章 水晶玉、空飛ぶ車、ロボット
第五章 テクノトピア的な未来か、人間中心の未来か?
第六章 グローバルな未来への壮大な挑戦
著者等紹介
ギドリー,ジェニファー M.[ギドリー,ジェニファー M.] [Gidley,Jennifer M.]
未来学、心理学の未来、ポストフォーマル教育の分野で40年以上にわたり研究に従事。欧米やアジア、北米、中東の国々で未来志向のプロジェクトの実施に積極的に取り組んできた。不確実性とテクノロジーへの関心が高まる現代において、学術的、組織的な仕事を通じて人間中心の未来の確立を目指している。2009~2017年、世界未来学連盟(WFSF)会長を務める。現在シドニー工科大学非常勤教授(the Institute for Sustainable Futures at the University of Technology)
南龍太[ミナミリュウタ]
世界未来学連盟(WFSF)アソシエイト・日本支部代表、日本未来学会理事。大手情報通信シンクタンクの主任研究員として勤める傍ら、人工知能(AI)や宇宙、脳科学、外国人の多文化共生に関する記事や書籍を執筆。元共同通信社記者。東京外国語大学ペルシア語学科卒。新潟県出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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