出版社内容情報
中世のミソジニー社会で戦った、男装の少女! ジャンヌ・ダルクはどのように象られてきたか。その変容の歴史を巧みに紡ぎあげる、博覧強記の物語。
内容説明
「異性装」の少女は、どのように語られてきたか?フェミニズムの視点とともに史料や表象文化を読み解き、600年にわたり変容されてきた「人生」を巧みにつむぐ、博覧強記のナラティヴ・バイオグラフィー。地図・年表・図版多数収録。
目次
初めに言があった
天使たちの話しかたと言葉で
小さな、いえ、ほんのつまらぬこと
国王の宝
いったい、この方はどなたなのだろう。風や湖さえも従うではないか
おとめに降伏せよ
跳ねる牡鹿
黒い騎士
金色のマント
塔の監獄
燃えない心臓
永遠の命
著者等紹介
ハリソン,キャスリン[ハリソン,キャスリン] [Harrison,Kathryn]
1961年生まれ。アメリカの作家。スタンフォード大学で英語と美術史の学士号を、アイオワ大学で美術修士号を取得。1992年、『Thicker than Water』でデビュー。自伝的作品『キス』(1997年)がベストセラーとなる。その後も、小説、回顧録、伝記など多彩な作品で知られ、家族関係や個人の葛藤をテーマにし、その鋭い洞察力と独自の文体で多くの読者に支持されている
北代美和子[キタダイミワコ]
1953年生まれ。翻訳家。日本通訳翻訳学会元会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
21
15世紀、農民の娘であったジャンヌ・ダルクは、イングランドに占領されていたフランス領を奪還せよという「神の声」に導かれ、英仏百年戦争の転機となるオルレアン解放を果たす。そして、宗教裁判によって弱冠19歳で火刑に処され、後年には列聖され。魔女狩りのような異端審問や誹謗中傷をのりこえ、史上屈指のヒロインとして聖人になったジャンヌの生涯を、本書では、多様な側面から物語ってゆく。裁判記録、法廷での本人の証言、年代記、書翰など歴史的資料、文学をはじめ、絵画・映画など表象文化に描かれたジャンヌ・ダルク像も網羅。 2025/03/30
sakko
2
誰もが名前を知る人物だけれど、あまり詳しく知ろうとした事は無かったので読んでみました。19才で亡くなってるんですね…。彼女の聞いた声が、本当に神のものだったのかは分かりません。ですが、当時の一般男性を遥かに凌ぐスピードで、戦場に行く為に必須となる馬術を身につける事が出来たり、彼女が関わる戦争で、牡鹿の出来事など単純に「運が良い」の一言で片付けられない事が重なっている事を思うと、やっぱり本物の聖女だったのかな…。処刑時に肖像画や記録も処分されてしまったのは、本当に残念。2025/03/12
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