エクス・リブリス<br> 異邦人

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エクス・リブリス
異邦人

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  • サイズ 46判/ページ数 320p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560090985
  • NDC分類 973
  • Cコード C0097

出版社内容情報

聾者の母に捧げられた、「ある家族の会話」の軌跡。米・伊・英と移住する異才による、従来の「移民文学」とは一線を画す長篇。


【目次】

内容説明

「家族」、「旅」、「健康」、「仕事とお金」、「愛」、「あなたの星座は」という6つの章で展開される、作家の自伝とも回想録ともいえる作品。「家族」:語り手の若い女性の両親(ともに聾者)のローマでの出会い、アメリカへの移住、子ども(語り手およびその兄)の誕生、離婚とイタリアへの帰国について語られる。「旅」:ブルックリンのイタリア系コミュニティにまつわる思い出が語られる。やがて両親の離婚にともない、幼少期にアメリカからイタリアの小村バジリカータに移住した語り手の体験が、皮肉を利かせたコミカルな筆致で描かれる。「健康」:「耳が聞こえないけれど音楽が好きな母」の思い出を振り返り、手話によるコミュニケーションをかたくなに嫌った母、テレビでいっしょに音楽祭の番組を見ていたときの字幕、母が「比喩」や「皮肉」といった修辞技法をなかなか理解しなかったことなどが綴られる。「あなたの星座は」:語り手は母親に「もし聾でなかったら、どんな人生を送っていたと思うか」と問いかける。母は「つまらない、意味のない人生だったでしょうね」と答える。ストレーガ賞最終候補のオートフィクション。

著者等紹介

栗原俊秀[クリハラトシヒデ]
会社員、翻訳家。専門はイタリア文学。カルミネ・アバーテ『偉大なる時のモザイク』(未知谷)で、須賀敦子翻訳賞、および、イタリア文化財・文化活動省翻訳賞を受賞

ドゥラスタンティ,クラウディア[ドゥラスタンティ,クラウディア] [Durastanti,Claudia]
作家、翻訳家。1984年、ニューヨークのブルックリンのイタリア人コミュニティに生まれる。両親はともに聾者(ドゥラスタンティ自身は健常)。両親の離婚をきっかけとし、6歳の時に母の故郷の南伊バジリカータへ移住。ローマのサピエンツァ大学で人類学を学び、2011年よりロンドンに拠点を移す。2010年、アメリカを舞台にした長篇『いつの日かきみの家の窓に石を投げに行くよ』で作家デビュー。数多くの文芸書を英語からイタリア語に翻訳している。本書は20を超える言語に翻訳され、イタリア最高峰の文学賞、ストレーガ賞最終候補(2019年)、90年を超える歴史をもつ文学賞、ヴィアレッジョ賞最終候補(2019年)などに選出される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ヘラジカ

38
確かに「移民文学」と言われて想像するような小説とはかけ離れた一風変わった作品である。もっと言えばただの小説とも違う。自伝文学”風”でありながら読者を幻惑するレトリックも散りばめられていて、後半に至るとエッセイを読んでいるような可笑しさや面白さもあった。ざっくばらんに言ってしまえば少し尖った実験小説か。と言っても文章自体にはそこまでの取っつきにくさはなく、翻訳の巧さもあってか流れるように読み続けられる。時折はっとするほど力強く鋭い言葉に出会いメモすることも屡々であった。2026/01/07

フランソワーズ

6
フィクションと、映画や文学、音楽、それに貧困や病気などの社会への考察が混在する。ものを語るという行為を初めから放棄しているような文学作品。で、その考察がとても面白かった(知的レベルから、わたしには理解不能なところも多々あったけど)。2026/03/07

瀬希瑞 世季子

3
"夢から覚めたあなたたちが、自分の一部は恐ろしい生き物に噛みちぎられて失われたと説明しても、誰も耳を貸さないだろう。日々の生活のなかで、自分はそのような汚染の結果を背負わされていると話したら、誰かはあなたたちに同情してくれるかもしれないけれど、なにを言いたいのか理解してもらえることはけっしてないだろう。かわりに、自分は怪物である、あるいは夢のなかで、自分はずっと前から怪物だった、と話してみるといい。あなたたちの言うとおりだと、みんなが認めてくれるはずだ。"p.3112026/02/06

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