出版社内容情報
500年の時空を超えた、輪廻転生の壮大な物語
〈Ada〉という同じ名前を持つ4人の女――1459年、アフリカの海浜の村で、赤子を失って悲嘆に暮れる若い母アダー。1848年のロンドンで、ディケンズと逢瀬を重ねる伯爵夫人で数学者のエイダ。1945年、ドイツの強制収容所で慰安婦をさせられているポーランド人のアダ。そして2019年、現代のベルリンで、差別に苦しみながらアパート探しを続ける大学生アーダ。まったく異なる女として別の生を生きながら、いずれも時代の変動期に、権力構造によって周縁に追いやられ、苦しみ、同じような運命をたどる。くり返し現れる〈ウィリアム〉という名の男……。歴史はループを描くように動き、ループがいくつかくり返された後、現代に現れるのがベルリンに暮らすアーダだ。その存在には、過去の〈Ada〉たちの歴史が刻み込まれている。それを象徴するかのように、彼女たちの人生を繋いでいく美しい金珠の腕輪……。いまを生きるアーダは、ループする運命を変えることができるのか?
ガーナ出身で、バッハマン賞受賞のドイツ語作家が、コロニアリズム、レイシズム、セクシズムが交差する、時空を超えた500年を物語る傑作長篇。
内容説明
歴史の大変動期に異なる女として個別の生を生きながら、おのおのが周縁的存在として苦しみ、抗う。そこにくり返し現れる“ウィリアム”という名の男…。500年の時空を超え、4人の女“アーダ”たちの生と死がループする!
著者等紹介
オトゥ,シャロン・ドデュア[オトゥ,シャロンドデュア] [Otoo,Sharon Dodua]
1972年ロンドン生まれ。両親はともにガーナ出身。大学でドイツ文学に触れる。英語で執筆していたが、2016年、初めてドイツ語で執筆した短篇「グレットルプ氏着席する」(“HerrGr¨ottrup setzt sich hin”)で新進作家の登竜門の“バッハマン賞”を受賞。本書はその後にドイツ語で執筆した初の長篇。アクティビストでもあり、ISD(ドイツ黒人イニシアティブ)などで精力的に活動するほか、ドイツに生きた黒人女性作家の作品を英語で出版するシリーズ「目撃」の編集人も務める。2020年のバッハマン賞招待講演「黒人は花を描いてよいのか?」は耳目を集めた
鈴木仁子[スズキヒトコ]
1956年生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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