エクス・リブリス<br> 遠きにありて、ウルは遅れるだろう

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エクス・リブリス
遠きにありて、ウルは遅れるだろう

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  • サイズ 46判/ページ数 209p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560090794
  • NDC分類 929.13
  • Cコード C0097

出版社内容情報

今日の韓国文学作家に多大な影響を与え続ける
「韓国文学史で前例なき異端の作家」による、待望の邦訳!

著者は1965年ソウル生まれの女性作家。イメージに富むと同時に生硬で鉱物的な破格の文体を用い「韓国文学史で前例なき異端の作家」と評価され、今までに多数の短篇集と長篇、エッセイ、詩作品を発表。常に独自のスタンスで揺るぎない地位を占める韓国女性作家のトップランナーである。また、ハン・ガンの英訳者として知られるデボラ・スミスがぺ・スアの作品を高く評価しており、既に3冊を英訳している。これまでの作品は、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、中国語などにも翻訳されている。本書は、今日の韓国作家に多大な影響を与え続ける著者の初の邦訳となる。
著者は声による文学表現に深い関心をもち、本書は朗唱のために書き下ろされ、韓国で出版された際には、朗唱劇として公演が行われた。
物語の舞台は「ソウルを連想させる人口1000万人都市」であるが、はっきりとは書かれていない。午後四時にベッドで目を覚ました「私」は、旅館の一室におり、存在を規定する記憶がすべて消えていることを知る。椅子には黒い服を着た同行者が座って本を読んでいた。同行者も、自分の存在を規定する記憶をすべて失っていることに気づく。広げられた新聞に、ジョナス・メカスの訃報記事があることから、日にちは一月二十三日頃だとわかる。巫女に会い、「ウル」と名付けられた私は、感覚と予感をもとに、様々なものにいざなわれ、自分が何者であるのかを夢幻的に探っていく。〈はじまりの女〉という原初的なイメージが、ときに激烈な感情をともなって変遷しながらウルの前にあらわれる。「それこそが私の存在の唯一の根拠であるという確信」が芽生えて……。
全篇を通して、存在の不安、孤独、愛、性、死などの人間の本質を体感するような謎めいたイメージが横溢し絡み合う。世界と自己をまったく新しく捉え直す文学の挑戦!

内容説明

存在を規定する記憶をすべて失い、“ウル”と名づけられた女性が、混沌の中から意識の底にある感覚を浮上させ、自分が何者であるのかを夢幻的に探っていく三つの物語。

著者等紹介

ペスア[ペスア]
1965年ソウル生まれ。梨花女子大学化学科を卒業後に公務員として働き、93年に短篇「1988年の暗い部屋」でデビュー。03年に長篇『日曜日、スキヤキ食堂』で韓国日報文学賞、04年に長篇『独学者』で東西文学賞、18年に短篇集『蛇と水』で今日の作家賞を受賞。イメージに富むと同時に生硬で鉱物的な破格の文体を用い、「韓国文学史で前例なき異端の作家」と評価され、多数の短篇集と長篇、エッセイ、詩作品を発表。常に独自のスタンスで揺るぎない地位を占める韓国女性作家のトップランナー

斎藤真理子[サイトウマリコ]
翻訳家。パク・ミンギュ『カステラ』(共訳、クレイン)で第一回日本翻訳大賞、チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』(白水社)で“韓国文学翻訳院”翻訳大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

73
記憶がない状態で目を覚ました女。自分が何者であるか分からないが、周囲の言葉から読者も手探りで女の正体を探ろうとするが・・・。意味を読み取ろう=規定しようと読むとこんなにも掴みどころのない本はないだろう。序盤、(韓国文学を多く、翻訳している斎藤さんの訳にしては珍しく)、引っ掛かりやすい文体に戸惑う。原文がそうなのか、同じ単語が一つの文体の中に何度も組み込まれていてノイズとなっているからだ。しかし、それら(黒い犬、海、赤、演劇、ダンスなど)は輪唱、または重奏となって世界観を構築している事に気づくのだ。2023/06/22

ヘラジカ

46
読めども読めども解釈の糸口すら掴めず。あまりに難解なため敢えて解説は後回しにして読み終えた。圧倒的な幻惑感に脳内が攪乱されるばかりで、正直全く歯が立たなかったという印象だが、訳者の「無心に体感してほしい」との言葉に救われた。これから読む人には拘りが無ければ訳者あとがきから読むことをお勧めしたい。個人的な所感で言うとアルフレート・デーブリーンを思い起こす作風である。しかし、自動記述かと思うような飛躍とドライブ感も、読むのに不思議と苦痛はなく、幻想的な描写の連続は脳内にヴィジョンを再現するだけで楽しかった。2023/01/20

ケイティ

31
よくわからないのに、なぜか読んでいたくなる未知の感覚。途中から脳内描写を諦めて、ただこの文章の波に浸りました。ただ字面を追うだけの合間に、心に刺さる箇所がある不思議な作品で、読むというより体に声が降り注いでくる。30年近いキャリアがありながら、個性的で難解ゆえに本作が翻訳第一作とのこと(齋藤さんのあとがきが今回も支えになりました!)。韓国文学らしさがなく、外国文学ならではの不可解な面白さの境地。お勧めしにくいけど、朗読劇(実際に独唱テキストだったらしい)が好きな方にはいいかも。舞台で観てみたい。2023/09/04

グラコロ

26
おおお、これは久々の“意識の流れ”か? しかも、その意識が記憶喪失になっていたりするから、かなりの難物だ。訳者はあとがきで、この全3話をそれぞれ映像化して3つのスクリーンで同時に流すのはどうか、3つ同時進行も有り、順序を変えて読むのも有りだって。無茶言うよなあ〜。(そのうち)再読決定!2023/06/13

かふ

23
ヌーボ・ロマンのような女性の語り手の意識の流れというようなモノローグ小説。三部に分かれていて、第一部(一章)はある巫女を訪ねる男女の旅でそこで記憶喪失の女性が「ウル」だという名を知る。「ウル」はいろんな意味が込められており、例えばソウルのウルでもウルフのウルでも読み手のイメージに委ねられる。なんとなくヴァージニア・ウルフを連想した。倉橋由美子『暗い旅』とか二人称小説があったが、そんな感じにも読める。二章はもう現代詩のような文体で理解するのは難解だ。カフカの晩年の短編『断食芸人』の劇をやるような記述がある。2023/09/29

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