内容説明
1647年某日。理性の人デカルト(51歳)と信仰の人パスカル(24歳)は、1日をともに過ごして、密かに語り合った。本書はこのたった1日の出会いを、2人の著作、書簡、伝記にもとづき、戯曲として再構成。1985パリ・オデオン座小劇場で絶賛上演。老獪VS純情。哲学史を彩る白熱のドラマ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がっちゃん
2
観客のリテラシーも試される2024/06/03
Reina SAIJO
1
51歳のデカルトと24歳のパスカルが顔を合わせて信仰を論じたら、という設定で書かれた短い戯曲。理知的な年長者と情熱的な若者という構図になっている。タイトルから察せられるようにお硬いだけでなく笑いをとるのも忘れていない。哲学者を主人公にしても面白い演劇になるよい事例なので、ぜひ実演されたものを観てみたい。研究者のレヴィスによる史実との食い違いを指摘した小論が付録にあるのも親切。訳者解説で歴史家と作家を不思議と対立させたがっているけれども、そうした構図を設けても作品が味わい深くなることはあまりないように思う。2014/02/08
あじといわし
0
まずは、この芝居が見たくなる。そしてこの本の構成がすばらしい。演劇としてのブリスヴィルの「デカルトさんとパスカルくんー劇的対話」に続いて、歴史家であるレヴィスの「デカルトとパスカルの出会いー実情と虚構」と題した歴史的な立場での検証・批判、その二つをつなげ考察する立場としての「訳者あとがき」が見事にこの作品、デカルトやパスカルについての理解をさらに深めることができる。今の役者さんなら、デカルトやパスカルは誰が演じるのだろうかと妄想するだけでもちょっと楽しい。2011/11/29
きゅー
0
史実によれば、デカルトとパスカルは確かに出会っている。しかし二人の間でどんな会話がやり取りされたのかは記録に残っていない。その会話を再創造したのが、この作品。タイトル通り、しゃべり口がとても軽く驚かされるが、二人の思想的背景はしっかりと書き込まれている。デカルト、あるいはパスカルに興味を持った人が読むには最適の一冊では。
ごまちゃん
0
思ってたのとちょっと違った2007/12/28
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